第56話 ランク戦開始

試合まで後、10分。

俺達は暗い空間でエリュシオンにログインしてて作戦を練っていた。


「木原。お前ならどうする?」

「とりあえず、単体で強い赤星さんは遊撃に回ってもらって私とリアさん。そして、降谷さんは合流をめざしつつ狙撃手スナイパーが居そうな所を探しましょう」

「分かった。それでいこう」

「んー、わたしは赤星と一緒がいいんですけど……」

「リア。隊長の命令だ。聞き分けろ……」

「分かりました……」


リアは不満げに頷いた。

まぁ、こうも言ってくれるのは嬉しいがな……。

『人間は1人では生きてはいけないのです』そこでレヴィのあの言葉を思い出してしまう。


俺はまだ迷っているのかもしれない。父さんが遺したプラチナデータを回収すると決めた以上、俺はなんでもやると決めたはずなのに……。


でも、迷う事もまた人間の運命さだめだ。

迷って迷って迷い尽くしながら答えを探す。

そんなものかもしれない。


「だよな……」

「んっ?赤星くんなんか言った?」


俺が小さく呟くと降谷が噛み付いてきた。

すると、俺は無表情で「なんでもない」と言うと「えー、絶対なんか言ったよ!?」と突っ込んできた。


「いいから試合に集中しろ。お前落とされたら後で死ぬ程いじるからな?」

「えーー!!」


そんなことを言ってると時間がゼロとなり、試合が始まった。

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