第34話 もっと速く

赤星がリアと戦っている頃。


「あら、こっちが本命だったみたいね……」

「ルミちゃん油断しちゃ駄目よ…………」


広瀬と平が合流した先にはそう、そこに居たのはレヴィだった。


「ほほ、日本のお嬢様戦士達よ……女人にょにんを痛めつけるのはあまり気乗りしませんが是非も無いですね…………出来れば自発的にログアウトしてもらえると有難いのですが…」


レヴィはそう言いながら世界樹ユグドラシルを出現させた。


「あら、その言葉を逆に考えると、勝てる自信がないが無い様に聞こえるんだけど?」

「ほほ、威勢のいいお嬢様戦士だ。では、私も本気でいかせてもらいます!!」


そう言うとレヴィは眉間にシワを寄せるとその半目の目を尖らせて向かってきた。

そして、走りながらユグドラシルの真ん中を掴むと鞘から抜くように引っ張るととても細い細剣レイピアが現れる。

これでレヴィは杖とレイピアの二刀となった。


八岐大蛇ヤマタノオロチ!!」


平がそう言うと、自分の得物を出現させる。

それは巨大なむちだった。そして先端には巨大な鉤爪かぎづめの様な刃が1本くっ付いておりウネウネとまるで蛇のように動いていた。


「シッ!!」


平が殺気を込めた息を吐きながら鞭を振るった。


鞭とは見た目とは裏腹に攻撃力が高い。一撃で人を絶命させることもあるほどだ。

何故ならその理由は速度にある。

先端の速度が音速を超える事もあるのだ。



つまり、速度だけで言えばルシフェルの攻撃にも平には負けてない。


はずだった。


試合終了まで後、20分……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る