第23話 披露

「それじゃあ行くよ?」


降谷が合図するので俺は頷くと、得物を抜いた。それはとても美しい白色をした刀身で全長2メートルはあろうである程長かった。


『カウントダウンスタート』


その言葉が始まると共に俺の得物がカタカタと振動し始めた。


「っ……!!」


降谷も思ったのだろうのか?このプラチナデータは普通ではないことに……。


そしてカウントダウンがゼロになると同時に。


「えっ?」


降谷は驚嘆の声を上げた。何故なら、胴体が3つに輪切りなっていたからだ。

その次に見えたのは俺の背中から12本の剣が生えていた。


『フルタニ。HP全損。勝者アカホシ』


△▽△▽△▽△▽△▽△


「これが俺のプラチナデータ……ルシフェルだ」


皆に説明すると、西尾がログを見直し始めた。


スローモーションにしするとその全貌が明らかとなる。


「なるほど、1/100再生にしたが、どうやら12本の剣のうち3本が亜音速で襲いかかってるみたいだな」

「……当たりです」

「これはガードも無効できるし、何よりタネが割れなければ反応することさえ許されない…………まさに強力なプラチナデータだな」


西尾が再び顎を撫でながらそう言うと、広瀬が不満げな言う。


「あんた、超能力者エスパーな上にプラチナデータ持ちとか一体何者?」

「ただの通りすがりのゲーマーだ」


すると、本部長が黙りこくった。


(一切口外しないっていう約束は守るんだな)


俺がそう思っていると、広瀬は鼻を「ふん」と鳴らすとそっぽを向いた。


「カッコつけちゃって……」


広瀬のその小さな呟きに俺は気づくことは無かった。

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