第22話 NTG達

「集まったな」


中村本部長が椅子に座りながらそう言うと、4人は一斉に敬礼をする。1人は広瀬ともう1人は降谷だった。


俺も慌てて敬礼をした。

すると、中村本部長は右手を軽く上げて皆に敬礼をやめさせる。


「今回、同盟国のトルコに行ってる六道と剣崎の代わりに入ってもらう赤星裕也君だ。皆、仲良くしてやってくれ」

「中村本部長1ついいですか?」


すると、20代前半のトロ目をした黒髪短髪の男性が手を上げた。


「なんだ?西尾?」

「彼は1ヶ月くらい前にランク3になったばかりですよね?チームの連携も分からないのにいきなりNTG代理……しかも国技┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈に参加させるのはちょっと……」


西尾はそう言うと、あごを撫でた。


「その点は大丈夫だ。彼にはプラチナデータがある……!!きっと大きな戦力になってくれるに違いない」

「なっ!!プラチナデータ?!」


すると、全員が驚嘆の声をあげてこちらを向く。


『プラチナデータ』

昔の映画の造語であるが、その意味は希少に存在するデータの略語だ。その多くは訓練用モンスター達から稀にドロップするゲーム上のバグである。しかし、エリュシオンでは国連がその使用を許可しているためルール違反でもなんでもない。

プラチナデータはとても強い武器である。


国がそのデータを回収するために100億単位の金が動く場合すらある事だ。


「分かりました。そういう事なら特別に俺も隊長として許可しましょう……」


西尾は真っ直ぐな瞳をして中村本部長を眺めた。


「へぇーー、赤星くんプラチナデータ持ってたんだ?ねぇなぇみせてよ?」

「断る……」

「隊長として命令する……見せろ」

「…………分かりました」


西尾がこちらを向いて指を指して命令をする。

あまり人に見せたくはないが、仕方ない。


俺はそう思うと、抜く覚悟をした。

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