第6話 事実は小説よりも奇なり

あの後、すぐにログアウトすると俺は寝た。をすると体力を大きく使うためだ。

そして、起きると朝になっていた。


「退屈だ……」


全てが退屈。

俺には何も無い。空っぽだ。


今日も単位だけを稼ぐ為に学校に行く。良い大学に入り、いい会社に入る。


そしたら……?


そのあとはどうすればいい?


「考えても仕方ないか……」


誰が聞いてる訳でもないのに俺は小さく呟くと、着替え始める。


△▽△▽△▽△▽


『やめろ……押すなよ!!見えないだろ!?』

『お前こそ!!』


学校に到着すると、皆が何やら校長室の前で騒いでいる。

劣等生バカ共の考える事は分からない。


『おい、なんでもNTGが来たらしいぞ』

『SP3人付いてたぞ!!』


「NTGか……」


俺はつい、昨日の事を思い出した。

もしかして……。


『お前ら教室へ戻れ!!』


すると、教諭の声で俺はハッとした。


俺は急いで教室へ歩み始める。


*


「初めまして!!この度引っ越して来ました降谷権と申します。どうぞよろしくお願いします!!」


黒服を着た屈強な男達3人に囲まれた青年は昨日のナイフ使いのNTGだった。


「あ!!昨日の人じゃないか!?昨日は対戦ありがとう!!」


こいつ天然なのかわざとなのか分からん。


『うっそ!!赤星くんNTGと知り合い?』

『普段、自分関係ないですよ。みたいな顔しててやる時はやるんだ……』


ほら見た事か……。


これが一緒にNTGの道を歩む事になる降谷権との出会いだ。

確実にいい出会いと言えない。

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