第25話 魔法石編 その2 対面

「パッ、パティさん、お昼ご飯まだでしたら、一緒にどうですか?」

「親方にこの素材を届けてからでしたら・・・」

「あっ、いいですよ! 先に済ませてからで。」


パティを待っている間に、ギルド受付では臨時クエストが掲示された。


     { 遺跡広場の洞穴内部再調査 }


名目上そうなっているが、実際はパティが倒したネズミ型モンスター12体の

速やかな回収。 発生原因の調査だけではなく、腐敗による二次災害の防止。

主な目的はそこにあった。


エムとケイティの二人は続けてクエストを受けようとしたが、他のパーティーに

先取りされてしまった。


「魔獣解体業者かよ・・・」  「あたしたちの出る幕じゃないよね。」


「お待たせしました。」


「あの・・・ コンタス・・・さんは?」


「おかみさんに昼食お呼ばれしたみたいです。」


昼食はケイティの提案で、オープンしたばかりの店に行く事になった。


        【早矢仕御飯】


どうやらひとつのメニューだけで勝負しようとしている、こじんまりとした店。


「ケイティ・・・ この茶色のドロッとしたの、何なんだ?」

「牛肉を長時間煮込んだものだって。とにかく・・・今オープン記念で、すごく安くなってるから食べないと損だよ!」


すでに、〝ハヤシライス〟なる料理を黙々と口に運んでいるパティ。


そのペースの早さに、ケイティは話しかけるタイミングを取れないでいた。


しばらく、三人とも黙ったままの食事を続けていたが・・・


食べ終わったパティは紙ナプキンで口を拭うと、自ら二人に話しかけてきた。


「何か話があるんですよね・・・聞きますよ?」


「ほら、お兄ちゃん!」

「・・・じ、実は・・・俺たちに、その武器の使い方を教えてほしい!」


エムの申し出を聞き、しばらく考え込むパティ。


その返答を待っていたが・・・

三人とも食事を終えている状況に、ハッと気付くケイティ。

店入り口に行列ができているのが見えたからだった。

オープン記念の一人5ギンコづつを支払い、店を出る3人。


「驚いたな・・・あんな美味いとは思わなかったぞ。」

「うん、あたしも驚いちゃった。」

「また行きましょうね。」


「あ、そうだ! パティちゃん、まだお返事聞いてなかった!」


ケイティの発した言葉に、ちょっと驚いた表情を見せたパティ。


「じゃあ、ちょっと付き合ってくれますか?」


「・・・へ??」

「お兄ちゃん、違うよっ!!」


「今から親方の所へ行って相談しようと思います。」


( パティちゃんの親方って、どんな人かしら・・・ )


工房の出入り口の前に立つパティ。

「パティです。 今戻りました。」


奥の方から「おう、入っていいぞ。」の声。


その声を聞いて、互いに顔を見合わせるエムとケイティ。


三人が工房に入ると・・・


「なにいッ!?」  「えっ!?」  「ええー-ッ!?」


工房内に響く、複数の大声。







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