第12話 ギルド編 その12 真実を話す親方(補足1)

ドォォン!!!って感じでよ。一瞬だったが、腹に来るすごい爆発音だった。

この✖✖の✖✖みんが放った爆裂魔法を喰らった現場のすぐ近くにいたような・・・

まぁ、かなり話を盛っている自覚はある。この一部分だけな。


そう言やぁ、ピタッと静かになった。

俺も食糧庫も無事だ・・・ 

監視水晶玉の映像は、煙か霧か何かでよく見えない。


このまま外へ出て大丈夫なんだろうか? と、思っていたら・・・

ドアをコンコンと、ノックする音。 窓を見るとコンタスの顔だった。

分かっちゃいるつもりなんだが、一瞬ドキッとしちまう。

ノックしてくるなんざ、律義なやつだな、モンスターなのに。

で、恐る恐るドアを開けたらよ・・・

コンタスが俺に向かって、ジャンケンのチョキのサインを両手でしてるんだ。

今時、そんなポーズするやついるか? 久々に見たぞ。

でも、それって・・・勝ったって事だよな!? 

と、思わず、普通に話しかけちまったんだが・・・

コンタスはうなづいていたよ。 ちゃんと伝わっていたんだな。


まあ、とにかく状況を確認しないと。

煙だか靄はすぐに晴れたんだが・・・ 驚いたのなんのって!

ちょっと離れた場所に、こんもりとした丘のような・・・

馬鹿でかいイノシシ型モンスター、〝モーシン〟に間違いない。

それが横倒しになったまま・・・ ピクリとも動いてねえんだ。


てぇ事は・・・  ついに、やりやがったか!!

で、パッと後ろへ振り向いたらよ・・・

パティが倒れていた。つーより、宝箱に寄りかかったまま動かない、だな。

嬢ちゃん、大丈夫かっ!?って、つい大声出しちまったよ。


すると、パティから声が聞こえたんで・・・ちと安心したんだけど、

えらくか細い声でな、聞き耳たてるしかなかったんだ。


・・・すいません・・・動けないので・・・人、呼んでください・・・


俺としたことが、肝心な事を忘れてた!

無事を知らせる狼煙を上げないと、村のみんなは気付いてくれないだろう。

確か、緑色の筒だったはずだ・・・

待ってろ! 今、呼んできてやるからな!


あった、これか。 〝無事を知らせる狼煙・緑ちゃん〟・・・

最近は水晶玉を使わないとスムーズに点火できなくなってきた。

全く、年は取りたくねえもんだ。


オロオロしているコンタスにバケツを渡し、ブドーに水をかけてやるよう指示すると

俺は早速点火に取り掛かった。


煙が目に沁みる・・・ああ、〝近くで見ないでください〟と、トリセツにあったか。


しばらくして、遠くで騒ぎ声が聞こえ、それが次第に大きくなってきた。


村の衆が袋小路に差し掛かった時、悲鳴とも大歓声ともつかない声が・・・

周囲は岩を掘られた跡を再利用している特殊な地形だから響くこと響くこと。

全く、うるせえやつらだ。でも、無理はねえか。

その光景は電撃を喰らったくらい衝撃的だっただろうからな。


  



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