好捕彼 愛守【すとか あいす】

 meが感情がないと言われたのは、中学の給食時間の時だった。班の形にしてくださいと先生が全体に声をかけ、いっせいに五六人くらいの形状へと机が変化する。


 そこでいつも、meはニッコニコしててたまに声を上げて笑っている。だけどその日、目の前に座ってる男子にこう言われたの、


「お前ってずっとヘラヘラ笑ってて気持ち悪いな、感情ないみたい」


 その男子が言うことがなんか可笑しくて、みんな可笑しくて可笑しくて仕方がなくなって、笑いがコントロール出来なくて、目から勝手に涙が出てたの。笑いながら泣いてた。


 それでね、笑いが止まらないから息が出来なくなって、気づいたらどこかの病院のベットの上にいたの。


 知らない病院の部屋だったな。陰気くさかったけど、しばらく入院することになった。家からはそう遠くなくて、隣の校区の中学生が笑いながら帰っていくのが窓から見えて、たのしそうだなと思いました。


 でもね、その中学生の中で一人だけ目立った子がいたの。髪の毛を染めてたり、奇抜な服装だった訳じゃない、むしろその逆だったんだけど、とっても素敵だなって思ったの。


 集団を恐れず、一人で行動する一匹狼みたいな人。meはこの時胸が針で刺されたように興奮したの。


 最も人間らしい感情、それは好意。この時からmeは模部くんを求めるようになった。


 毎日病室から彼めがけて紙飛行機型にした恋文を飛ばしたり、時には彼が読んでる本を親に買って同じ本を持ってきてもらったり、彼の細かい癖を真似てみたり、彼の年齢に合わせて入院期間がのびて高校生になるのを遅らせたりした。


 meは彼が好き。そうだと思う。


 だけどママとかパパはこれは好きって事じゃないって否定してくる。だけど彼を見てるとずっと手を繋いで繋がっておきたいって思う、これは好きだからこその感情でしょ?


 だけどいざ高校に入って彼と一緒のクラスになって色々アプローチしたんだけど全然効果なくてむしろこっちがショックーって感じになったの。


 恋文捨てられたり、肩を叩いて呼んでも身長差でイタズラだと思われて無視されたり、他にも汚れたスニーカーを磨いてあげたりいろいのした!だけどなかなか振り向いてくれなくてねme可哀想でしょ。


 だけど気づいたことがあってね、meは模部くんのことが好きじゃない。


 meは模部くんを愛してる。


 模部くんが相手にしてくれなくても、meはずっとずっとずーっと諦めなくて彼に好意を伝えた。これはもう好意の域にとどまってない!だから愛なの。


 だからこれからもっとずっと一緒にいようね模部くん♡

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