第14話
校舎の裏に隠れた花は膝を抱えて丸くなっていた。
どうしよう原田先生が魔法を使えるなんて……
いったいどうして……水晶を取ろうとしてたのかな……
胸のドキドキがおさまらなかった。
座っていた場所の横、校舎の壁が粉々にはじけ飛ぶ。
花は手を後ろについて短く悲鳴をあげた。
瓦礫がバラバラと転がる。
穿たれた壁の穴から女がつかつかとヒールを鳴らして出てきた。
「大人を舐めない方がいいよ!早くその水晶を渡しなさい!」
花は水晶を握りしめてじりじりと後ろに下がる。
虫の羽音が聞こえた。
凄まじい量の虫たちが目の前の女に群がった。
女の叫び声は虫の羽音でかき消えている。
萌が花の手をとった。
「走って!」
二人の少女は駆けだした。
「いったい何があったの?」
「わかんない。ポポンを狙ってるみたいなの」
「けど、萌ちゃんなんであそこにいたの?」
「虫さんたちの観察」
「そ、そっか」
「けど、どうするの、たぶんすぐ追いつかれるよ」
「大丈夫、助けをよんだからなんとかなるはず」
「助け?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます