第7話 派閥
ギルドに着いたシグ達は受付に行き引き換えの紙を渡して受付嬢から冒険者プレートを受け取った。冒険者プレートには シグ・マグナ と名前が白いインクで彫りになぞってある。このインクだけならいくらでも偽造できそうだが…そう思って受付の人に尋ねると
「こちらのインクにはギルド独自の魔法が施されてあってその冒険者プレートをこちらの水晶にかざすと身分証やお金を預けたり引き出す事なども出来ます。また、連合国内にある国へ行く際には通行証としても使っていただける他、ギルドへお金を預けて居れば水晶を導入しているお店ではお買い物も出来ちゃいますよ!ギルドの事をよろしければ説明致しますか?」
「是非お願いします!」
とは言ったものの長ったらしく説明や歴史なんかも話されて2時間ぐらいかかった内容を要約すると
・冒険者にはそれぞれ 白 黒 青 赤 緑 銀 金 紫 の階級があってインクの色で階級がわかる様になっている
・クエストを受ける際には1階級上かそれ以下の物しか受けられない
・ギルド側がクエストによってその冒険者にポイントをつけて行き、人格や街への貢献度でも昇級や降級の判断をされる
・階級が緑以上になった者には階級事に支給品や金貨がそれぞれ2ヶ月ごとに渡される
・半年以内に1度もクエストを達成しないとペナルティがあり、ポイントも減らされる(大怪我や病などは免除される場合もある)
色々と制約はあるがつまりはクエストをちゃんと受けてお利口さんにしておけば良いということか。歴史やらなんやらは興味無くて話半分で聞き流して早速クエストを、とも思ったが時間が時間だし今日の所は宿に泊まって明日からクエストを受ける事にするか。
ギルドを出て【リルグーの宿屋】に泊まろうと思い2人に別れを告げると
「え?明日からクエスト受けますよね?同じ宿に泊まった方が動きやすいのでは?」
「なんで別行動しようと思ってんのよ!あんたまさか遊廓にでも行こうと思ってたんじゃ無いでしょうね?信じらんない!」
と、明日の予定まで決まっていてしかもクエストにもついてくるつもりでいるらしい。この2人とパーティーを組んだつもりは無かったのだが2人は既にシグの事もパーティーの一員と認識しているらしく、そんな事を言われた。
パーティーを組む事でメリットもあるが1人の方が気が楽だっのだが…断れる雰囲気でもないしその流れに流されるまま、【リグルーの宿屋】へと3人で向かった。
宿屋に入るとおかみさんが
「あら、あんた昨日の今日で別嬪さん2人も捕まえて、やっぱ綺麗な顔の男はモテるんだねぇ〜うちの子も早く嫁さん捕まえて孫を見せて貰いたいよ」
なんて言い出すものだからレイは顔を赤くしながら俯きエリナも顔を赤くして違います!と怒りながら否定していた。
「それより飯はすぐに食べるかい?それとも先にシャワーでも浴びるかい?」
と言われたので2人には先にシャワーを浴びて貰いシグは直ぐに戻りますと告げ鍵だけ受け取り店の外へ…
ギルドに向かいお金を預ける事にした。競りで稼いだお金は2人に見つかれば最悪問い詰められて文句言われるかもしれないので宿屋3日分くらいと食費のお金を手にして出ようとした時、扉の開く音がして周りがざわつきだした。
変な奴でも入って来たのかと思ったが、装備や立ち居振る舞いから只者ではないと思わせる集団が入ってきた。少しうずうずしたが街では良い子でいなければペナルティを貰ってしまうと思い我慢した
「おい、あれは確か【赤の翼】の団長と副団長達じゃねえか?」
「団長が金クラスで主要メンバーが銀と緑の大派閥が一体何用だ?」
なんて囁き声も聞こえてきた。確かに先頭に立つ男の存在感はこの場の空気を圧倒するだけのものがあるのでその派閥とやらで間違いないだろう。
後ろにはアマゾネスの女性とフード付きのコートを来た男、それから軽装備の緋色の長い髪の女性もいる。誰もが存在感は1級品だ。
少し観察しているとその一団は受付の方まで来て何やら内密の話なのかコソコソと話している。気になって聞き耳をたてて見ると
「試験では何か動きはあったか?」
「いいえ、今回の件で異常は報告されませんでした」
「そうか、奴隷商のクズどもが動くと聞いていたんだがこちらは何も成果が無かったか」
という会話が聞こえて来たので「あぁ、あいつらかな?」なんて呟いてしまった。すると少し近くにいた緋色の髪の女性に聞かれたのかこちらを振り向き素早く距離を詰められ
「耳がいいんだね、それで?何か知ってるの?」
ものすごく顔が近くてドキドキ…ではなく威圧感のある髪と同じで緋色の目に見つめられ緊張して声が出せない。正直に話そうか悩んでいると団長とやらもこちらに来て
「何か知っているならば話をしよう、談話室をかりるぞ?」
と受付嬢に言い、有無を言わさず囲まて受付の横にある階段を登って談話室と書かれた部屋に連行されてしまった。
すぐに戻るって言ったのにどうしよう…
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