第4話 普通の少年 (2)

「いや普通じゃねえわ」


下校中、いきなりタイトルにツッコんでしまった。周りに誰もいなくて良かった。

はいはい終わりました。僕の普通の高校生活は初日にして普通ではなくなりました。

だって今まで目立たず空気のように日常を過ごしていたのにいきなり学級委員だなんておかしいだろおい。


『学級委員長────────学校のクラスにおいて、リーダー的な立場の役職に就いている生徒のことである。』


過ぎたことは仕方ないとよく言われたり聞いたりするけど、うん。なにこれ。全然仕方なくないね。自分とは真逆の役職だよ。


僕が神園高校を選んだ理由は、まぁ家から近いからって理由も大きいけど、1番はやっぱり小学校中学校と同じだったクラスメイトが僕以外1人もこの高校を志望してないからだ。高校デビューって訳では無いけど、僕は個人的に自分のことを知ってる人が高校でもいるのはなんか嫌なタイプなんだ。うーん…語彙力…


話はそれてしまったけど、かなりポジティブに考えるなら、僕と同じクラスの人はみんな初めましての人ばかりだから、学級委員も何とか一学期はもつと思う。中学校で学級委員になってしまったら、僕の言うことなんて絶対誰も聞かなかったと思うからさ。こんな根暗な奴の言うことなんか。


うん。一学期の辛抱だ。はぁ…頭が痛い…

さっきから僕は何を言っているのだろうか。



「人生って何が起こるか分からないなあ…」



ボソッと呟いたこのセリフだが、改めて僕はこのセリフを大きく実感するであろう。今から3分後、生涯1度あるかないかの出来事が僕に起こりうるのだから。



そう、今から3分後、燃代準は神と会う。









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