第49話 しろねこさんとゲームで遊ぶ①

 桜井さんと放課後デートをしたその日の夜。


 俺はいつも通り家でFPSゲームをやろうと思ってネトゲフレンドのオンライン状況を確認してみた。


「……おっ! しろねこさんインしてるじゃん」


  すると少し前に友達になった女子友達のしろねこさんがオンライン状態になっていた。 なので俺はしろねこさんにチャットを送ってみる事にした。


“こんばんはー”

“あ、こんばんは!”

“今からFPSゲームやろうと思ってるんですけど、もし良かったら一緒にやりませんか?”

“はい、是非やりたいです!”

“わかりました、それじゃあ今から通話とか大丈夫ですかね?”

“はい、大丈夫です!”


 しろねこさんも今は空いてるとの事なので、早速しろねこさんに通話をかけてみた。 するとすぐにしろねこさんは応答してくれた。


「こんばんはー!」

『あ、はい、こんばんは! お疲れさまですー』

「お疲れ様ですー。 それじゃあ早速ランクマいきますか。 あ、あと1人どうしますか? 野良入れます? それとも誰か知り合い呼びましょうか?」

『あ、そうですね。 うーん、どうしましょうかね……』


 このFPSゲームは3人制のチーム対戦ゲームとなっている。 もちろん2人でゲームを初めても1人は野良が入ってくれるので支障はない。 けど、まぁ3人固定でやった方が連携が取りやすいので、基本的には3人固定でやるのが推奨されてるゲームではある。


「俺の周りは……あー、今日は誰もインしてないですね。 しろねこさんの方で呼べる人とかいたら呼んで貰ってもいいですよ?」

『あ、本当ですか? ちょっと待っててくださいね……』

「はい、わかりましたー」


 しろねこさんはそう言ってフレンドの確認を始めてくれたので、俺はそれを待つ事にした。 うーん、これでしろねこさん経由でまた女の子の友達が出来たりしないかなぁ。


『……あー、すいません。 今インしてる友達が1人いるんですけど、でもその子は今ゲーム配信中なんでちょっと誘えないです……』

「はい、わかりました、それじゃあ野良1人いれてやっていきましょう! ……って、え?? しろねこさんの周りにゲーム配信してる友達いるんですか? それめっちゃ凄いですね!」

『あはは、割とその子の配信人気あって面白いんですよ。 確か登録者数10万人いって銀盾貰ってましたし』

「え!? いやマジで凄い人ですね! その人はしろねこさんのリアル友達なんですか? それともネット友達なんですかね?」

『あ、リアル友達ですよー。 学校のクラスメイトの女の子なんですよ、その子』

「へぇ、そうなんですか! その人がやってるのはFPSゲームの配信なんですか?」

『あぁ、はい、メインはそうなんですけど、でも他にも色々とやってる子ですー』

「あ、そうなんですね! 色々な事が出来るって配信者としての才能めっちゃある人なんですね!」


 へぇ、なるほどなー。 やっぱり今時はユーチューバーとかティックトッカーをやってる子って多いんだな。 そういや最近学校で友達になった地雷系の女の子も配信やってるって言ってたしさ。


(あ、そういえば霧島もFPSゲームの配信とかしてんじゃないか?)


 何かこっちの世界だとゲーム配信してる女子多そうだし、今度の休みに色々な人の配信とか見てみようかな。 推し活とかも初めてみるか?


「あ、ちなみになんですけど、しろねこさんはそういうゲーム配信とか実況とかはやってないんですか?」

『え、私ですか?? いやもう全くやってないですよ! 私結構コミュ障なんでそんな不特定多数の前で元気に話す事とか絶対に出来ないですもん!!』


 俺がそう尋ねるとしろねこさんは大きな声でそう否定してきた。


「えー?? あはは、しろねこさんはコミュ障じゃないでしょー。 だって普通にこうやって俺と楽しく通話してるじゃないですかー」

『いやいや! 本当にもうマジでコミュ障なんすよ!! 今は通話だから大丈夫そうに見えてるだけで、もし直接会ったりしたらもうガチでコミュ障発揮しちゃいますよー』

「あはは、そんな事は絶対にないでしょー! うん、それなら本当にしろねこさんがコミュ障なのかどうかを確認するためにも……今度しろねこさんとオフ会とかしてみたいなー!」

『え!? お、オフ会ですか??』


 という事で俺はそんな話をしろねこさんに振ってみた。

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