第48話 えっちぃギャルと放課後デート④

 時刻は夕方を過ぎた頃。


「あ、そういえばさ」

「うん? どしたのー?」


 目当てのパンケーキを食べ終えた俺達は、帰宅するために駅前まで戻っている所だった。 その帰り道で俺はもう一つ気になった事を桜井さんに聞いてみた。


「そういえば、桜井さんと鹿島さんが幼馴染ってのは本当なの?」

「あー、うん、本当だよー。 知佳とは幼稚園から高校までずっと一緒の学校に通ってるよー」

「あ、そうなんだね」


 という事でちょっとだけ気になった桜井さんと鹿島さんの関係について聞いてみた。 桜井さんは幼馴染だと言ってたけど、でも二人とも性格というかキャラが全然違うからちょっと気になってたんだ。


「うーん、いやでもさ、それにしては鹿島さんとはだいぶ犬猿の仲っぽい感じだったよね?」

「えー? いや別にそんな事はないんだけどね? 知佳と二人きりでいる時は、お互いに割と何でも包み隠さず話し合ったりする仲だしさー」

「あ、そうなんだ?」

「うん、だからアタシは今までの彼氏についての話は全部知佳に話した事あるし、その度に彼氏としたエッチの感想とかも伝えてたしねー、あはは」

「ほ、ほうほう……」


 あぁ、なるほどな、だから鹿島さんは桜井さんの事を“ヤリ〇ンの遊び人”だと言ってきたのか。 そりゃあ本人の口から生々しいエッチ話が語られてるんだから、鹿島さんも自信を持って俺にそう言ってこれたんだな。


「あとはまぁ普通に、今でも知佳とは二人きりで遊んだりするしね」

「え、そうなの?? それは何だか意外な感じだね」


 何となく鹿島さんと桜井さんは水と油みたいな関係なのかなーって思っていたんだけど、実際にはそんな事ないのかもしれないな。


「ちなみにさ、桜井さんと鹿島さんって二人きりだとどんな事して遊ぶの?」

「え? うーん、まぁ普通に外で映画とか見に行ったり、ご飯食べに行ったり、あとは知佳の家に行って一緒にゲームで遊んだりとかもするよ」

「へぇ、そうなんだ! 鹿島さんとは結構色々な事をして遊んでるんだね」

「うん、そうだねー。 あとはめっちゃ良いエロ本とか見つけたら知佳と共有しあったりしてるかなー。 あはは、あの子マジで性欲ヤバイから倉橋君気を付けなよー?」

「っ!? ほ、ほうほう! なるほどね!」


 え、エロ本共有!? 何それめっちゃ楽しそうな事してるじゃん! 俺もそのえっちぃお楽しみ会に参加させてもらえないかなぁ……いや普通に聞いてみるか!


「え、そのエロ本の共有会とかさ……俺も参加したいんだけど」

「えー? ふふ、倉橋君もそういうの興味あるのー?? それは意外だなー」

「いや、まぁやっぱりそういうのが気になるお年頃だからさ。 あとはやっぱり……鹿島さんと桜井さんだからっていうのもあるけど」

「うん? アタシと知佳だからってどういう事??」


 俺がそういうと桜井さんは首を傾げながらそう聞き返してきた。


「うん、俺は鹿島さんと桜井さんとはそこそこ仲が良い方だと思ってるんだけどさ、でもどうせなら……そんな仲の良い幼馴染の二人みたいにさ、もっと何でも包み隠さず話し合えるような関係にまでなりたいなーって思ったんだよね」


 俺は桜井さんの顔をじっと見つめながらそう答えた。


「……ふぅん、なるほどねー? つまりはアタシと知佳の幼馴染関係が羨ましいって事かな?」

「うん、そんな感じだよ。 というか俺も桜井さんと鹿島さんと一緒にえっちぃ話で盛り上がりたいなーって思っただけなんだけどさ」

「あはは、結局そっち目的かいー」


 俺がそう言うと桜井さんはけらけらと笑ってきた。 でもすぐに桜井さんはふふっと笑いながら俺に向けてこう言ってきてくれた。


「ふふ、そうだねぇ……それじゃあさ……倉橋君がアタシとも知佳とも“仲良しの関係”になれたらさ……その時は三人で仲良く“仲良しの関係”になろうね……?」

「えっ!? う、うん、わかったよ!」


 桜井さんのその発言で俺は色々と察して深く頷いた。 これは早急に鹿島さんと桜井さんと“仲良しの関係(意味深)”になる必要が出て来たな! 絶対になれるように頑張るぞ!!


「……って、あぁ、そんな話をしてたらもう駅に着いちゃったねー」

「あ、本当だ。 何だかあっという間だったなー」

「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいよ」


 そんなえっちぃ話をしていたら駅前に到着してしまった。 まぁこれから目指すべき目標も出来たし今日はとても充実した一日となったな。


「今日は付き合ってくれて本当にありがとねー」

「ううん、こちらこそだよ! 桜井さんと一緒に食べるお昼ご飯も楽しみにしてるね」

「ふふ、アタシもすっごく楽しみにしてるよー! それじゃあ一緒に食べる日についてはラインで話し合おうね」

「うん、わかった。 それじゃあまた明日ね」

「うん、また明日ー」


 俺と桜井さんは利用してる電車が違うので、今日は駅の改札前で解散となった。 俺は桜井さんが改札の中へ入っていくのを見送ってから、俺も帰宅するための電車が通ってる改札の方へ向かって行った。 そしてその帰り道、俺は笑いながら小さく一言だけ呟いた。


「ふふ……来週がめっちゃ楽しみだな……!」


 という事で俺は来週のどこかのタイミングで桜井さんと二人きりでお昼ご飯を食べる約束を取り付ける事が出来た。 とりあえず明日からは学校の中で二人きりになれる場所を探さなきゃだな。

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