第19話 えっちぃ話を大衆の場でしてたらそうなるよね③
「もしかして……これって脅してる?」
「うーん、どうだろうね?」
桜井さんはニヤニヤと笑いながらとぼけてみせてきた。 そんな不敵な笑みを浮かべている桜井さんの事を見つめながら俺は……
(こんなんチャンスでしかねぇだろ!)
どうやって桜井さんとエチの展開に持っていけるかをずっと考えていた。 だって俺のエロレーダーがビンビンに反応してるんだよ、この子は絶対にエロい女子だよ! それにきっと桜井さんはエチの経験は豊富な女子だよな?
(いやもうさ、気持ち良く童貞を卒業したいのなら桜井さんにお願いするのが一番賢い選択なんじゃないのか?)
俺はそんな超ゲスい事を考えながら桜井さんと対峙していた(童貞は性欲に忠実)
「でも私はさぁ、真面目な倉橋君がそういう不埒な事をしてるなんて皆にバレたら大変だろうなぁ……って、心配してるだけなんだよ?」
「え? 心配……?」
「うん、そうだよ。 私は心配してるだけなんだよ? それにほら、先生にもバレたらさ、内申点とかにも響くんじゃない? せっかく倉橋君は真面目で優等生なのにさぁ、そんな事になったら皆からの株が下がっちゃうよねー」
「あ、あー、なるほど?」
いやもうこれ完全に100%脅しですやん。 これが薄い本の世界だとしたら、俺は顔を青ざめながら「お願いします、何でもしますから(iry」って言うのがテンプレの流れじゃん。
(いやでも俺は真面目ぶるつもりなんて一切無いから、いくら株が下がってもいいんだけど)
正直周りの人達からの評価とかどうでもいいわ。 ってかこの逆転世界で真面目ぶって生きてたら俺の性欲が爆発して死ぬからさ。 真面目なフリして死ぬくらいなら性欲に正直に生きた方が100億倍マシだ。
だから桜井さんのこの脅しは俺に対しては完全にノーダメなんだけど……でも、屈したその先にエチエチな展開が待ってるというのであれば話は別だ。
「ちなみに質問なんだけどさ」
「うん? 何かな?」
「何で俺と鹿島さんの話を盗み聞きしてたの?」
とりあえず至極当然の疑問を聞いてみる。 すると桜井さんは笑みを崩さずにこう答えてきた。
「えー? 知佳が楽しそうにしてたからだよ?」
「え、本当にそれだけなの?」
「うん、そしたらさぁ、倉橋君とラブホに行く的な話しをしてたからさ。 なんか面白そうな事話してるなーって思って盗み聞きしちゃった、あはは」
悪びれるそぶりも無く桜井さんはケラケラと大げさに笑ってきた。 多分だけど桜井さんは俺の不安を煽るためにわざと大げさに笑っているような気もする。
「あはは、でもさぁ知佳とエッチの約束してたけどさ、あの子経験0の完全処女だよ? だから知佳なんかとエッチしても倉橋君は全然気持ち良くなれないと思うよ?」
「っ!? あ、そ、そうなんだ……!」
生々しい発言を女子である桜井さんの口から聞いてしまったおかげで俺は言葉を詰まらせてしまった。 あ、あぁなるほど、これが逆転世界か……いや普通にエロイなこの世界! 最高かよ!
「だから倉橋君もさぁ……エッチする相手はちゃんと選んだ方がいいと思うよー?」
「……えっ!? あっ、えっ……!」
桜井さんはそう言いながら俺の手に触れてきて……そしてそのまま自分の指をスルスルと俺に絡ませてきた。 それはいわゆる恋人繋ぎのような絡ませ方だった。 え、なにこれエチすぎるんだけど???
「……ふふ。 それでさぁ、どうなのかな、倉橋君? 彼女でもない子とエッチな事をするような男子だって周りの人達にバレたくないよねぇ?」
桜井さんは俺の手に自分の指を絡ませたまま、もう一度だけ脅しの言葉を使ってきた。
(いやそんな事しなくても余裕で屈するつもりなんで大丈夫です桜井さ……いや、
俺の心づもりは既に決まってる。
「じゃあさ……もしそれを黙ってて欲しいって言ったら、俺は桜井さんに何をすればいいの?」
「えー? 嫌だなぁ、私は誰にもバラさないよー?」
「えっ!? そ、そうなの……?」
「うん、だってさ、冗談でも私が何か要求しちゃうとさぁ……それって本当に“脅し”になっちゃうもんね? 脅しって犯罪だもんね? あははー」
「あ、あぁ、なるほどね」
桜井さんにバラさないよって言われて一瞬だけしょぼんとしてしまったけど、そんな事は無かった。 というかこのギャル普通に頭の回転が早い子だな。 確かに自分から“そういう事”は口にすると脅しになっちゃうもんな。
「でもさぁ……もし、倉橋君が自分から率先して何かしたい事があるんだったらさ、私は何でも聞き入れるつもりだよ?」
「え、本当にっ!?」
え、桜井さんいま何でもするって言ったよね! もう攻めるタイミングはここしかねぇよな!
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