第12話 今日も楽しく鹿島さんとエロ話で盛り上がる②

「……え、えぇっと、そ、その……え? というか倉橋君はなんでラブホに行ってみたいの?」


 鹿島さんは至極当然な質問を俺にしてきた。 いや、まぁそりゃそう聞いてくるわな。


「うーん、普通に施設に興味があるからだね。 普通のホテルとラブホってどういう所が違うのかなーっていうのを調べてみたいだけかなー」

「……え? えっと、じゃあもしさ、私と一緒にラブホに行ったとしてさ……そ、その……え、えぇっと……その……」

「うん?」


 鹿島さんは顔を赤くしながらモジモジとしだしてきた。 いやまぁ鹿島さんが何を考えてるのかはわかるけど、敢て俺からはそれを言わない。 都合の良い男になると決めたけど、それでもやっぱり駆け引きはちゃんとしないと。


 ってか逆の立場だったとしたら、異性のクラスメイト(教室で話す程度の仲)から唐突に「エッチしない?」って誘われたとしても、童貞の俺はきっと「え、何これドッキリ!? いやこれ絶対に何か裏があるな! 俺を騙そうとしてるだろ!?」って100%怪しむだろうし。


 そんで童貞の俺が100%怪しむって思ってんだから、この世界の鹿島さんも多分怪しむだろ、この子もムッツリ童貞女子だし。


 ということで俺の今後の方針としてはそこまでガツガツと攻めるような事はしない、急がば回れってやつさ。


「まぁいいや。 もし鹿島さんもラブホに興味出来たら気軽に言ってね。 鹿島さんが誘ってくれるんだったらいつでも行くからさ」

「え!? あ、えぇっと、そ、その……か、考えとく!」

「ん、わかった。 楽しみにしてるよ」


 鹿島さんは頬を赤くしながらそう答えた。 俺は笑いながら楽しみにしてると返事をしてから、またスマホを見る作業に戻った。


「……へぇ、こっちは大型モニターが設置されてるんだって。 DVDにゲーム機も各種取り揃えております……だってさ。 なんか普通に遊ぶ部屋としても楽しそうだなー」


 今までラブホについて一度も調べた事が無かったので、何だか色々な知識が得られて楽しいんだけど。


「へ、へぇ、そういう設備も揃ってるんだ。 確かに大型のテレビでゲームとかやれたら迫力あって楽しそうだよね」

「え? いや違うでしょ。 せっかくの大型テレビなんだからそれでエーブ……」

「……エーブ?」


 俺はそこまで言って今日の早朝に起きた悲劇を思い出してフリーズした。 あぁ、そうだったな……俺の秘蔵のAV全部無くなったんだったわ……


「……あー……」

「ど、どうしたの? 急に黙り込んで?」


 俺がいきなり黙ったかと思ったら、突然大きなため息をついたので、鹿島さんは心配そうにこちらを見てくる。


「あ、ごめん、別に何でもな……いや待てよ?」

「う、うん?」


 あ、そうだった、忘れてたわ。 今日鹿島さんに会ったら聞かなきゃいけない事があったじゃん。 都合の良い男になる事にばかり重きを置いてたからすっかり忘れてた。


「あのさ、そういえば鹿島さんに聞きたい事があるんだけど……」

「え? 今度は何?」


―― キーンコーンカーンコーン……


 鹿島さんが聞き返したその時、ちょうど昼休みが終わるチャイムが鳴った。 俺にとって超重大な話をしたかったんだけど、まぁしょうがないか。


「あーごめん、休み時間終わっちゃったし、また今度話すわ。 あ、良かったら鹿島さんさ、LIME交換しとかない?」

「え!? あ、うん、いいよ! 交換しよう!」


 俺がそう言うと鹿島さんは滅茶苦茶喜びながら自分のスマホを取り出してきた。 ちなみにLIMEとはスマホの無料通話・チャットアプリのことだ。


「はいこれ! 申請送ってくれればすぐに承認するから」

「うん、今送ったから追加よろしくー」


 鹿島さんがQRコードを見してくれたので、俺はそれをスマホで読み取りそのまま友達申請を送った。


「追加したよ! これからもよろしくね!」

「ん、こちらこそ」


 ということで今更だけどこの逆転世界で鹿島さんとの繋がりを得る事が出来た。 今後も鹿島さんには困った事があったら色々と相談相手になってもらおう。

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