第11話 今日も楽しく鹿島さんとエロ話で盛り上がる①
授業終わりの昼休み。 いつも一緒に昼飯を食べてる雄二は部活のミーティングに出かけてるから、今日は一人で昼飯を食べる事にした。
「ま、ちょうどいいか」
俺は自分の席に座ってコンビニで買ってきたサンドイッチを食べながらスマホを取り出した。 調べたい事があったからだ。
都合の良い男になるために必要な物がいくつかあるのだが、中でも一番必要だと思ったのはエッチをする場所が問題だと、童貞の俺はそう思っていた。
いや俺の借りてるアパートを使うという選択肢もあるよ? でもさ、もしエッチをしてる最中に姫子が襲来したらどうなるよ? ……終わりだろ。
それでさ、じゃあ世の中のカップル達はどうやってエッチをする場所を確保してるのかを知りたいわけで……いやそんなの普通にわかってるけども。
「うーん……」
という事で俺はスマホのゴーグル先生を開いて、とある検索ワードを打ち込んでいた。
“ラブホ どんな所?”
俺は生まれて初めてそんな“実践的”なワードを検索してみた。 だって今まではオカズになる情報しか検索してこなかったからさ。
「へぇ、こんな場所なんだ」
検索結果はラブホの外観や室内の写真、設備などがずらっと並んでいた。 これは都合の良い男になるためにはしっかりと勉強しておかねばならない情報だな!
そう思いながら俺がスマホの検索結果を見入っていると、突然と後ろから声をかけられた。
「……あ、あのさ」
「ふむふむ……って、え?」
俺は後ろを振り返ると、そこにいたのはムッツリスケベ仲間の鹿島さんだった。
「あぁ、鹿島さんじゃん。 お疲れー」
「お、お疲れ様、倉橋君」
「うん。 それで、何か用かな?」
「あ、えぇっと……」
俺がそう声をかけると、鹿島さんは少し緊張した感じで喋りかけてきた。 昨日鹿島さんに面と向かって可愛いと言ったからそれで若干緊張してるのかもしれない。
「い、いや、何か倉橋君が楽しそうにスマホ見てるなーって思ったからさ、何見てるのか興味あるなーって思ってさ」
「あぁ、これ? ちょっとラブホについて調べてたんだけどさ」
「ぶはっ!? な、なんで!?」
唐突に鹿島さんは噴き出した。 いや俺も元の世界で逆の立場だったら絶対に吹き出すけどね。
「いや俺も鹿島さんと同じでエチな事に興味あるお年頃って事なんです」
「ふ、ふーん……な、なるほどぉ……そ、そうなんだ……!」
めっちゃ動揺してますやん。
「あ、そうだ。 鹿島さんはラブホって行った事ある?」
「え゛!? い、いや! そ、そりゃあ、な、ないけどさ……」
「そっかぁ、そりゃあ残念」
「え? ざ、残念ってなんで?」
俺が残念がると鹿島さんは不思議そうな顔をしてくる。
「いやさ、結局調べてみたはいいんだけど、ラブホってどんな施設なのかなーって凄く気になってさ」
「ど、どんな施設ってそんなの……えっと……そ、それはその……ねぇ?」
「あはは。 いやまぁ、何となくはわかるんだけどさ。 でも実際にどんな部屋なのかなぁって気になったりしない?」
「え? えぇっと……ど、どうだろう、わ、私はあんまり興味はないかもなー」
「……ふぅん?」
おっと、これは異性の前だからカッコつけて俺はムッツリ童貞じゃないと思われたいアピールだぞ! でも残念ながら「ははは、俺そんなエロい事に興味無いぜ☆」って斜に構えるのはどうみても童貞だぞ! ってかそもそもそんな奴は視聴覚室で胸を触ってこようなんてしないぞ!
「俺はめっちゃ気になるけどなぁ。 あ、この部屋凄くない? 露天風呂付きだってさ。 こっちはサウナ付きなんてのもあるよ」
「へ、へぇ、そんなのもあるんだね」
「何だか凄いなー。 ラブホっていうからてっきりエッチな事だけをする部屋なのかって思ったけど、色々とバリエーションがあるんだなぁ」
「そ、そうなんだね。 た、確かに凄そうだよね」
「あーあ、実際に行ってみたいけど、一人で行くのはお金的にも難しいからなぁ……あ、鹿島さん良かったら一緒に行ってみない?」
「ヴェ゛っ!?」
という事でエロい事に興味無いフリをする鹿島さんに先制ジャブを放ってみる。 一体どんな反応してくれるんだろ?
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