第4話 プール
(学校のチャイム キーンコーンカーンコーン 放課後)
「監督。今日の部活動は、水泳部と交渉して、体育館とプールを一日だけ交換しました。よってこれから、体幹を鍛えるために水中トレーニングを実施します!監督は別に入らなくてもいいですけど、何かあった時の為に、水着を着てきてくださいね。それじゃあ、待ってますから」
(プール シャワーの音 ジャー)
(消毒層へ入る音 バザーン)
「これでよし!それにしても学校指定の水着は中学の時に買ったから、少し小さくて、きついんですよね。まっ、それだけ成長したってことですかね?あんまり、ジロジロ見ないでください。恥ずかしいですからぁ。
あれ?監督は入んないですか?もったいないなー。25メートルプールの8コースを貸し切りだなんて、授業以外でできませんからね。きっもちいいですよ~」
「飛び込むぞー、それーーーー!!」
(バシャーン)
「きゃははー」
「みんなー!まずは、コースロープ全部外しちゃって!準備できたら、みんなで、プールの中で時計回りに走れー!!流れるプールにして遊ぶよー!!」
(右から左へ流れる声)
←「きゃははー。流れるー」←
←「監督も一緒にどーですかー?」←
←「気持ちいいですよー」←
←「きゃははー」←
「お次は、逆かいてーん!それー!」
(左から右へ流れる声)
→「きゃははー。流れるー」→
→「ん夏、サイコー」→
→「監督も早くいらっしゃなー」→
→「きゃははー」→
「よーし。お遊びはここまでよー。水中トレーニング始めるよから、まずはペア作ってストレッチを
あれ?今日は奇数人数だったか。一人あぶれるな。仕方ない、監督。私とペア組みましょう。それしかありません。さー早く入ってください」
(プールへゆっくり入る音 チャポン)
「どうです監督?気持ちいいでしょ?まずは、お互いの肩を持って、腕を伸ばしたまま顔を水面に付けて、背中の筋を伸ばしますよ。それっ!」
(ブクブクブクブクブク)
「では次に、手と手を握って横向きになって、脇腹の筋を伸ばしますよ。それっ!
んっ、んっ、んっ、んっ、反対、んっ、んっ、んっ、んっ」
「では次に、背中同士を合わせて腕を絡めて、背筋を伸ばしましょう。まずは私が
(ブクブクブクブクブク)
「では次に監督が屈んでください。はいっ!
んっーーー
んっ、監督の肘が私のお胸を、、んっ、
あっ、あんまり伸ばしすぎると、あっ
水着が小さめできついから、やだっ、
そんなっ、食い込んで、、やっ、
私のお尻が監督の背中に直で、あっ、
これ以上やると、水着が破けてっ、
やだっ、監督、長いですって、
あれ?監督?ちょっと?」
(腕をほどいて元に戻る バシャー)
「どうしたんですか監督?潜ったままでいないで、上がってきて、返事してください、、、た、大変だー!!監督が
(部員たちが集まり監督をプールサイドへ運ぶ ジャバジャバ)
「監督ー!シッカリしてください!!
ダメだ、返事がない。こんな時は、どうするんだっけ。
むむむむっ。むむむむむむっ
じ、人工呼吸?!
人口呼吸、それは口と口を合わせて空気を送る作業。つまり、キッス。でも、私まだ、キッスしたことないし。ってことはこれがファーストキッス?やだっ、こんなみんなの前でなんて恥ずかい。いや、でもこれは人命救助だら、キッスにはカウントしなくてもいいのか?どうなんだ?たとえカウントされるとしても、監督となら私はいいけど、、、じゃあ監督の気持ちはどうなるの?私とキッスしたことを後から知ったら、なんて言うの?喜んでくれるかな?それとも怒るのかな?本当は、遊園地デート行った帰りに丘の上から夜景でも眺めて、キャッキャ言いながらじゃれ合っていたら急に彼が真面目な顔をしだして、自然とお互いが目をつぶって、そんなロマンティックなキッスをするシチュエーションが良かったけど、今はそんなことを言っている場合じゃないわね。仕方ない、覚悟決めてやるしかないわね。勇気出せ!私!せーの!
(おもいっきり息を吸い込む スー)
「?!監督の目が開いた?やだ、恥ずかしいから、まだ目をつぶっていてください、、、じゃなかった。おー意識が戻ったんですね監督!よかったですー。心配したんですよ」
小声「でも、ちょっと残念でした」
「あ、いや、なんでもありません。あははは」
========
(ピーンポーンパーンポーン)
真面目な声
「ここで注意とお願いです。人が溺れた際の正しい救助方法は、
・反応があるか確認
・119番通報とAEDの手配
・呼吸を確認する
・正常な呼吸がない場合は心臓マッサージを行う
・救助者が二人いるなど余裕があれば人工呼吸も行う
以上です。間違っても、人工呼吸がキスにカウントされるかどうかを考えこまないようにしてください。より正確な方法をお知りになりたい方は、日本医師会のホームページをご参照ください」
(パーンピーンポーンパーン)
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