第7話 排気ダクト

(学校のチャイム キーンコーンカーンコーン 放課後)

「監督!超重要極秘情報を入手しました!

 なんと、以前に偵察失敗した敵チームの作戦会議が、これから行われるそうですよ。ということで、今日の練習も副部長の加奈子に任せてきたから行きますよ。

 え?くじいた足はどうしたって?そんなもの一日で治りましたよ。若者は新陳代謝が早いから、うんまい棒とかブロックサンダーを食べておけば、すぐに回復するのです。それに、今日もミニミニチェックのスカートに白シャツ赤リボンの変装をしてきましたら、怪しまれることはありません。

 さあいざゆかん!我がチームをインターハイへ導くため、敵地偵察へ!

 高校のインハイ出場この偵察にあり。監督一層奮励努力せよ!」


小声「到着しましたね監督。どうやら敵チームは、この校舎3階の教室で作戦会議をしているようです。さすがに、正面から入って廊下から覗くなんて大胆なことはできないので、ここの排気ダクトから入って、会議室を目指しますよ!

 安心してください。校舎の図面は頭に叩き込んできましたら、大船に乗ったつもりで付いてきてください。準備はいいですか?行きますよ、監督。

 ミッションスタート!」


(排気ダクトカバーを外す音 ガタッ)

「この排気ダクト通路は思ったよりも狭いですね。四つんいになってハイハイの要領で前に進みますよ。付いてきてくださいね。

 あっ、前を見てはいけませんよ。私のおパンツが見えてしまいますから。

 ううんっ。ううんっ。よしよし。何とか前へ進めています。

 確か、ここを右に、、、

 それから、ここを左に、、、

 ここで下へ降りて、、、


 むむむむっ。むむむむむむっ。


 すみません監督、、、迷っちゃいました。

 こんなはずじゃなかったんだけどな。こうなったら、勘で行きましょう。人間はいざとなると、第六感が働いて、自然と目的の方へと進みだすと言います。

 行きますよ!ここは、、、右だ!

 そして次は、、、も一度右だ!

 さらに次は、、、左だ!

 おお!出ました!目的のルートへ戻りました。

 ここから先の通路はさらに狭くなっていますから、匍匐ほふく前進で行きましょう。

 あっ、ここの上にある柵を外せば、会議室の通気口に出るはず。

 仰向あおむけになって、、、

 四隅のネジを外して、、、

 この柵を外せば、えいっ、えいっ、

 あれ?硬いな。私の力じゃ、外せないな、、、

 監督!こっちへ来て、ここの上に付いている柵を外してください。

 ここの通路は狭いから、ゆっくりですよ。そうです、私の体の上をっていただいていいですから。


 んうぅ、やだっ。くすぐったい。

 狭いから仕方ないかっ、、んっ、

 ダメです、監督の右手が私の胸に、うぅ、

 ちょ、強く掴まないでください、あっ、

 ダー、私の脇の所で顔を密着したまま止まらないで、

 今、動いてたから、汗が、臭いでしょうし、んうぅ、

 このシャツも薄いから、脇汗がにじみ出てきてますし、

 んっ、やだっ、んもうっ、


 ようやく私の所まで来ましたね。どれだけ時間かけてるんですか、まったく。そ、それにしても、近いですね。狭いダクトの中で、体を横にして、監督と密着して、顔もすぐ目の前に。あ、あんまり見つめないでください。恥ずかしくなっちゃいます、、、

 さっ、ここで、体を180度回転させて上を向いてください。そうです、んっんっ、監督ちょっと重いですけど我慢します。早く柵を外してください」


(柵が外れる音 ガタッ)

「おおっ。外れましたね。監督から先に進んでください。私も後を追います」


「んっ、まぶしいぃ。

 あれ?最初の所に戻ってきてしまいました。図面が間違っていたのかな?

 いや、これは私が間違っていました。やっぱり、練習あるのみ。姑息な手段で勝利を収めてもうれしくありません。監督は先生なんだから、道を踏み外した私をしっかりと叱ってくださらないと困ります。さっ、帰りましょう」

 

 

 













 

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