ドムン!


 私のおなかを鋭いフックが貫いた。私の身体はロープと拳の間で挟まれ、胃が絞り袋のように押しつぶされる。

「ぐえ……」

「ハッ!もう終わり?」

 アオナが黒のヘッドギア越しに獰猛な笑みをよこす。

「ま、まだ……」

「あっ、そっ」


ドボッ!


「オゲェエエエ!?」

 アオナがもう一発、私のおなかにパンチを叩き込む。

「……ギブアップ?」

「ノ、ノー!」


ドゴン!


「ふ、ぐぅううう!」

 そのあと精一杯粘ったけど、そのラウンドの終了を告げるタイマーがなる前に、私はおなかを殴られすぎて苦しさで気を失ってしまった。

「アタシの勝ち!」

 そう言って笑うアオナに介抱してもらいながら、私は恥ずかしさと、そしてその素敵なアオナの笑顔に顔を赤らめた。

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