第5話夢がいつか現実に起こりうるのか…
うっ苦じぃぃ……
ベッドの上で仰向けで横たわる身体の全体にのしかかる重みに、思わず呻き声を漏らす寸前に聞き覚えのある声が耳に届いた。
「——んぱいっ、——ださい……み……せんぱいってば」
先輩……先輩と呼ばれていることに気付き、瞼を上げるとキス出来そうな距離で女子の顔があった。
「……んで、来栖さんが、居るの?……それに——」
「恵南先輩の寝顔が見たくなっちゃって起こしに来ちゃいました。それに……こうしたら、目覚めるかな〜って」
私の身体に覆い被さりながら、恥ずかしげもなく嬉しそうに答える来栖。
一糸纏わぬ姿——要するに全裸で私の身体に覆い被さる彼女は羞恥心をどこかへ置き去りにしたようだった。
ルームウェア越しに伝わる弾力と僅かな熱は、彼女の大きな胸と体温だった。
「はっ早くなんか着て!来栖さんっおかしいよ、今日!」
「ううぅ……欲情して、シてくれると思ったのに。着ます、あぁー……」
ベッドからおり、ラグの上に脱ぎ散らかった私の衣類に手を伸ばす彼女。
「あーあっ!なんかとは言ったけど、私のじゃなくて来栖さんが着てきたのがあるでしょ!」
「良いじゃないですかぁ〜先輩。匂いなんて気にしませんよ私ぃ」
「あーあっっ!」
はぁはぁ……ゆ、夢か……
夢にうなされ、飛び起きた私だった。ルームウェアは夢で着ていた物だった。汗でびっしょり濡れていた。
な、なんて夢、だぁ……
夢のような、関係を彼女と築くというのだろうか、今後……
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