第4話 普通も才能

 まあそんなこんなで学校に通うのがだいぶ苦痛になっていた俺だが、一つだけ、

希望の光があった。


 そう、「中学校」だ。


 幸せなことに年の離れた兄とは仲が良く、たまに愚痴や悩みなんかを聞いてもらっていた。


 まあ中学生になったら周りも大人もかわるでしょ、と兄は、学校に行きたくないとぼやいた俺に言った。

 

 その時は、神のお告げをたまわったとしか言いようがないくらい感動し、

驚いた。そんなことあるかね。いや兄ちゃんが言うならそうかもしれんな。


 そんな淡い期待を胸に秘めて生活していた結果、努力が実って無事大きな問題もなく小学校を卒業するという偉業を成し遂げたのだ、俺は。


 




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る