おさらいは大事

3日目になり、昨日のキャラクターの件から娘さんの話を渡辺さんが聞き出すことによりお昼を一緒に食べることとなった。


食休みになぜか日課の筋トレメニューの話になり、佐藤さんが実践という形で始めてしまった。




そこには、筋トレをしている佐藤さんを5人が取り囲み筋肉を褒めたたえるという謎の空間ができ上げっており、教育の再開のために部屋に訪れた社長が明けた扉を閉めて1分くらい扉を開くために心を落ち着かせなければいけないほど異様な光景となっていた。




気を落ち着けて扉を開けるとそこには、先ほどの光景はなく教育が再開できる状態であったが、午前中にピシッとしたスーツ姿であった佐藤さんがタンクトップで、体から異様な湯気が立ち上っているため先ほどの光景は幻ではないと分かり頭を抱えたくなったが、教育の邪魔にならないように席に着いた。




「再開します。残りの2時間ですが、話す内容を午前中ですべて終わらせてしまいましたので、おさらいを行っていきたいと思います。」




L型ダンジョンとQ型ダンジョンについての違いについての資料が映し出された。




「L型ダンジョンは迷宮ラビリンスの名前の通り、内部は迷宮となっております。ダンジョンの等級の振り分けは、1階層のモンスターの強さと最終階層のボスを倒すことにより消失後から復活するまでの日数によります。」




昨日と同じように佐藤さんのデフォルメキャラクターが指揮棒で指し示しながら話が進んでいく。




「例えば、ヒト型1種系統のモンスターが出現し、復活が1日の場合1-1L型ダンジョンとなります。L型ダンジョンに関しては数字が大きくなればなるほど難易度が上がっていきますのでわかりやすいかと思います。モンスターの系統種は主に最低復活日数から換算されているため、2-3や3-4の等級が存在しても、3-2などの復活日数より高い系統種のモンスターが1階層で出てくるL型ダンジョンはありません」




手をバッテンにしたキャラに変更される。




「L型ダンジョンの消失に伴い、内部や階層数まで変化します。これは今のところ法則性を見いだせていないためランダムの可能性があり、たとえ1-1であっても復活後は油断すると帰ることができなくなります」




キャラを通常に戻しQ型ダンジョンの説明を始めた。




「Q型ダンジョンはクエストの名の通り、ダンジョンに入るとクエストを選択します。通常は3つの中から選べるのですが、たまに少なくなることがあります。これに関しては、原因がわかっていません」




今度は腕を組み首を傾げ頭の上に?を表示させたキャラが映し出される。




「このクエストが書かれたボードに触れることで扉が現れ、扉をくぐることでクエストが始まります」




また通常にキャラを戻した




「Q型ダンジョンの等級はL型と大きく違い、クエストを受けることのできる人数と制限日数により決まります。例えば1人制限の1日制限ならば1-1となります。また、L型ダンジョンとは違い1人制限のクエストは高難易度となっております」




クエストボードの画像を映し出し人数と日数の部分を指示した。




「Q型ダンジョンはリタイア後記憶は消えてしまうが、ボディーカメラの映像や手記等の記録は残るため必ず調査を行います。そのため1人制限の場合調査を満遍なく行うことが難しいため、難易度が跳ね上がります。では、多いと難易度が下がるのかというと、残念ながら今までで確認された最大人数の30人限定のクエストは30日間と長い制限を設けられていて、内容はのみしか表記されず。調査を行っているが、いまだにクリアーの糸口すら手に入れていません。人数が多くなればその分高難易度となります。Q型ダンジョンの最小難易度は5-1と言われていますので、L型ダンジョンと混同しないようにしてください」




先ほどから仕草をころころ変えているキャラを見て、娘さんが表示の練習を手伝ってくれたと、お昼に嬉しそうに話していた佐藤さんを思い出すことにより、眠くならないように頑張ろうと決意しおさらいをしていく。

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