警備会社の教育は大事です。
「この後は、他の新任と同じように警備業法の話をしていきます。すでに現役でほかの警備業をやっているのに短縮しないのか疑問に思うでしょうが、今日から全警備会社一斉に教育を始める関係で、短縮せずに教育を行うように通達があったためです」
そう話すと、映像を消して、明かりをつけた。
「ここまでで、何か質問ありますか?無ければ休憩します」
ここでおずおずと藤沢さんが手を挙げる。
「先ほどの映像に流れてましたが、人とも戦うのですか?」
「Q型ダンジョンでは、高難易度になると人間との戦闘が多くなります。詳しくは明日お話しますが、人型のモンスターもいます。人と戦うのが駄目な人もいますので、そういう人は戦闘系のスキルに選ばれることはないので、ヒーラーやダンジョン外での救急隊など戦闘にかかわらない仕事もあります。それでもダンジョンに潜るのが無理だとなったら、今までの仕事に戻ることを推奨します」
「わかりました」
優しく諭すように言われたことで、ほっとしたように返事をする。
「それでは休憩を取りましょう」
そう切り出すと、佐藤さんと社長は出て行った。
田中さんはスマホを取り出し、東さんが話し始めた。
「呆気に取られているうちに話が進んでしまったが、お前らどうするんだ?このままダンジョンウォーカーになるのか?」
「ダンジョンウォーカーになるかはわからないけど、この教育でダンジョンに潜れるなら、スキルだけでも手に入れたいとは思いますよ。それより佐藤って人の話本当みたですよ」
こちらに見せてきたスマホには、総理大臣の演説映像に『ダンジョンウォーカーの業務を警備会社に一部移行』との見出しが映し出されていた。
「私もスキルだけでもとは思いますが、戦闘系だった場合はどうしようかな?」
「気にしなくてもいいんじゃない?強制ではないようだし」
「そうそう、今までの仕事に戻ることもできるって言ってたし、数合わせで教育させられてる可能性があるんじゃない?社長も佐藤何某さんには頭が上がらないみたいだし」
今後の予定を話していいると時間が過ぎ、いつの間にか佐藤さんと社長が戻ってきた。
その後、他の基本教育と同じ内容を行って帰路に就くことになった。
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