閑話 2030年度記録140 難易度3-3クエスト その1
『録画チェック』
画面がぶれて40代の男性リーダーが映し出される。
『『録画チェックよし』』
返答とともに、黒い靄のような物が映し出される。
『これより、2030年度記録140 3名制限、3日間以内の難易度3-3クエストを行う』
振り返り、20代の男性Aと30代の男性Bが映し出される。
『装備チェック』
映像に抜刀された日本刀が映り込まれた。
『メイン武器チェック』
『『メイン武器よし』』
Aは自分の武器となる槍をBは薙刀の確認を行う。
『サブ武器チェック』
『『サブ武器よし』』
リーダーは次にナイフを取り出しチェックを行い、Aは弓をBはメリケンサックのチェックを行う。
『ライトチェック』
『『ライトよし』』
次に長さ50cmの懐中電灯を取り出し、点灯のチェックを行う。
『ヘルメット、防具、靴チェック』
『『ヘルメット、防具、靴よし』』
今度はそれぞれの装備に対し、指差しでチェックしていく。
『バックの中身チェック、非常食、水、救急セット、ポーション、ガラス玉チェック』
『『非常食、水、救急セット、ポーション、ガラス玉よし』』
最後に背負っているバックをおろしてチェックしていく。
『最後時計合わせを行う。午前9時にセット・・・今』
掛け声とともに腕時計の針を始動させる。
チェックが一通り終わると、黒い靄に向き直った。
『これから難易度3-3クエストを行う。全員前進』
掛け声とともに黒い靄の中に入った先には3つの光る厚さ1cmの半透明な板が浮いていた。
『難易度3-3クエストは右だがその前に、前回の難易度5-1の代わりに現れたクエストの確認を行う』
板以外真っ黒なため左の板が近づいてくるような映像が映し出される。
板には、
1人制限
60日
王国ニ進行シテクル帝国兵カラ砂漠ノ都ヲ隠シ通セ
と記載されている。
『難易度1-60クエストを確認』
『リーダーこのクエスト誰もクリアーできないんじゃないですか?』
Aがクエストを見て、リーダーに話しかけてきた。
『1人限定だとか10人以上で30日超える場合はいまだに死者が出るから行く奴の気が知れないが、報酬が良すぎるから誰かが挑戦はするんじゃないかな?最悪リタイアしても記録を残していれば買い取ってもらえるんだし』
Bが話に乗っかり話し始めてしまったので、リーダーの叱責が跳ぶ。
『1日以上のクエストはどの人数でも死者が出かねないんだ、もっと気を引き締めろ』
『『すみません』』
姿勢を正しすぐに謝罪を行ったのを確認し、当初予定していた右の板に近づく。
板には、
3人制限
3日
聖王国ノ地下水道ニ大ネズミガ繁殖シテイル討伐セヨ(聖王国治水ギルド)
と書かれている。
リーダーが板に手を伸ばし触れると板が落下して、下から扉がせりあがってくる。
『これから難易度3-3クエストの最終確認を行う。まず全員で治水ギルドに向かう。その後Aは街中で噂の収集。Bはダンジョンウォーカーから依頼のあった書籍を購入するために目星をつけるために書店へ。私はガラス玉を貨幣に変えて宿屋の確保を行う。集合時間は16時。集合場所は出現場所。トラブルはできるだけ避けるように。それでは行くぞ』
掛け声とともに、ドアノブを回して扉の向こうに踏み込んだ。
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