色彩
白江桔梗
色彩
「
モノクロの世界に憧れたことがある。全てが白と黒で表現される世界、ブラウン管テレビに映る彼らは、私の憧れの存在であった。
私を
私を可哀想と言う人間、その全てが私を腫れ物のように、クランケのように扱う。この肉を削げば、同じ白い骨しか残らないというのに。
「そんなに良い物かしら、
世界は色に満ちている。この国で
今年も桜が咲いて、散る。やけに鮮やかな桃色は風に吹かれて、
今年も
今年も
「いっそのこと、雪女にでもなってしまおうかしら」
吐息は世界に溶けてゆく。私の髪の色と同じように。不純物もなく、ごく自然に混ざっていく。私という特異点も例外なく、その世界の色に溶けていく。
だから私は、冬が好きだ。
色彩 白江桔梗 @Shiroe_kikyo
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