-19- 二人の青春
視聴覚室のドアが開いた。
「さっきから音がすると思ったら、お前らか。反省文を提出してから帰れ。視聴覚室も元に戻しておけよ。」
ほとんど会話をしたことのない先生だった。先生が視聴覚室を出ると、木村と紗良、しばらく顔を見合わせた。
「今の聞かれてたかな。」
と、紗良。
「絶対聞かれてない。」
と、木村。
「と、願いたい」
二人で同時に言い、うなずき合う。
視聴覚室の前の廊下では、さっきの先生が、視聴覚室を出て、歩いて行く。
「映像もあいつらも、俺まで小っ恥ずかしくなっちゃったよ。ま、映像の没収は免除ってことで」
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