第16話 時間が止まったら男がやること

 時間が止まるなんて、そんなアダルトビデオみたいな設定がある訳ねぇーだろう、と思いながらも期待していた。

 時間が止まる、というのは男にとって夢なのだ。すべての異能の力で一番強い能力。あまりにも強すぎて、数々の作品で扱われているけど、そのほとんどに制限がかけられている。数秒しか時間が止められなかったり、止めた世界には化物が生息したり、……etc。

 それでも時間を止めることができれば、あんな事やこんな事ができるのだ。 

 

 ストップウォッチの表示画面は、すでに5分を示していた。

 押すべきボタンは1つしか無い。

 ボタンを押す。


『ビービービービー』

 教室に設置されているスピーカーも連動して音が流れているんじゃないか、と思うほどの大音量だった。


 ストップウォッチを押した瞬間にクラスメイトの動きが止まった。

 それはまるで時が止まったようだった。

 時間が止まったせいだろうか? なぜか寒さを感じる。


 俺は握っていたストップウォッチを見た。

 表示されていた5分が0秒に向かって動き出している。

 説明書が無くても見ればわかる使用である。時間が止まっているのは5分ということだろう。


 なにしよう? なにしよう? せっかく5分も時間が止まっているのだ。

 

 先にやるべきことをシュミレーションしとけばよかった。5分は時間が止まっているということはわかった。

 わかったけど他のことがわからない。わからないから説明書を先に読んでおくべきだった。せっかく説明書らしき紙もあるのに。


 ちょっと止めよう。

 

 俺はストップウォッチのボタンを再度押す。


 時間はストップしない。

 ガーン。

 えっ、これって使用は1回のみなんですか?

 説明書を読んでいたら時間が過ぎてしまうので、わからない。

 クソ。仕方がない。


 とりあえず、おっぱい揉もう。


 ネコタソとナミが俺の膝の上に座っていた。

 どちらのおっぱいを揉もうかな?


 君に決めた。

 ネコタソの胸に手を当てた。


「おっぱいっていいもんだな」←志村○ん風に言う。

 本当に時間が止まっているみたいで、ネコタソは何も反応しなかった。

 服の上からのおっぱいの感触は、想像よりも大したことがなかった。しょせん服の感触である。

「それじゃあお兄さん、服の下に手を突っ込んじゃってください」

「えっ、いいんですか?」

「今だけですよ」と俺は独り言を呟く。

 1人で会話してるのである。


「本当に時間が止まってんだろうな?」と俺は言う。「こんなの時間が止まってなきゃあ犯罪だぞ」

 ネコタソのホッペを抓る。

 動かない。 

「本当に時間が止まっているみたいです。隊長」

 と俺は独り言を呟く。

 この独り言。癖である。ずっと1人で部屋にいたのだ。だから1人で会話するスキルぐらい身につけている。

 俺の手がネコタソの服の下に潜った。

「隊長。侵入するであります」

 と俺は言いながらネコタソの服の下に手を突っ込んだ。


 まず初めに感じたのは生肌の感触。

「生肌っていいよな」←志村◯ん風に言う。

 そして俺の手は胸を目指して上に登っていく。


「布地の感触があります。隊長」

「これはスポブラというヤツではないでしょうか? 隊長」

「そうだ。これはスポブラだ。全員配置につけ」

「はい」

「全員、スポブラの中に突入」

 俺の手がスポブラの下を侵入していく。


 スポブラの中には柔らかい感触があった。

 まだ未成熟な柔らかい果実。


「感動であります」と俺の兵隊達が歓喜している。


 柔らかい果実の中心にはヘタがついていた。

 そのヘタを隊員達は、喜びながら触っていく。


「こんなにイヤラシイ体をして。グヘヘへへ」

 次はキモ男モードになってしまった。

「こんなことされたら気持ちいいのか? グヘヘへ」

 いくら触ってもネコタソは無表情だった。

「可愛らしい耳じゃないか。グヘ」

 俺は猫耳を見つめた。

 ロックオン。

 そして俺はパクッとくわえた。猫耳を。

 クソ、これ模造品だった。

 口の中に模造品の毛が入ってきた。

 ペペペ、毛を吐き出す。


「なかなかやるじゃないか。巧妙なトラップ。恐れ入ったぞ」と俺は言う。

 次は何のキャラクターになっているんだろう? 1人っきりの時って、こんな感じっすよね? 読者諸君もこんな感じっすよね? 俺だけっていうことはないと思う。


 ネコタソの本物の耳をペロッと舐めてみる。

 耳。それはフィギアのようにデザインされた完璧な造形品。

 耳の美しさというのは曲線美である。

 俺は完璧な造形品を舌でなぞった。

 どうやら造形品には小さな穴があるらしい。

 俺の舌は冒険家だった。そこに洞窟があるなら入りたい、と思うタイプなのである。

 俺の舌が洞窟に入った。

 お宝はございませんか? ここに賢者の石があると伺ってきたのですが?

 


 これで残り時間は何分?

 まだ耳しか冒険してませんよ。


 残り1分。


「1分もあれば沖縄旅行にも行ける」

「嘘つけよ。なんでそんな嘘をつくんだよ」

 1人でボケて1人でツッコむ。


「それじゃあナミナミのお胸様も触らせていただきます」

 俺は彼女の胸に手を置いた。

「あれ? 固いな」

「隊長。ナミ様はちゃんとしたブラジャーを付けております」

「よしわかった。侵入」

 隊長は命令を下した。

 果たして隊長が下した決断は英断だったのか? 続く。

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