第15話 割れ目を感じて小僧達が大喜び

「君の名前を教えて」と俺は膝の上に座る猫耳少女に尋ねた。

 授業が行われているので彼女の耳元で囁いた。

 隣の席のナミがムッとした顔をしている。その顔も可愛らしい。そんな顔をされたらオジさん舐めちゃいたくなっちゃうな。←キモいこと自分で気づいたからセーフ。

「私の名前?」と猫耳少女が言って顔を振り向いた。

 顔が近い。キスするぐらいに近い。本当にキスしてもいいですか? オジさんが大人のキスを教えてあげよう。←自分でキモいって気づいたからセーフ。それに俺はチューもしたことがないのである。だから全然キモくない。むしろ清潔。


「私の名前は体育猫たいいくねこ

 それじゃあスポ子でもいいじゃん。

「みんなからネコちゃん、って呼ばれてる」

「だから、その耳貰ったんだ?」

「たぶん」

「可愛い?」

 俺はポクポク頷く。

「めちゃくちゃ可愛い」

 それとネコちゃんのお尻の割れ目を膝で感じて、オジさんかなり興奮している。

 可愛いと言われたネコちゃんがデレ〜と溶けた。その仕草も可愛い。

 溶けすぎて俺の膝から落ちそうになったから俺はネコちゃんの脇腹辺りを掴んだ。

「クスぐったいらぁ〜」とネコちゃんが言って、俺の膝の上でさらに溶ける。

 コイツ可愛いい。

 痴女3人組の中で一番期待値が低かったけど、今はヤりたいランキング3位に入っている。

 1位は今朝ぶつかった超絶美人のあの子。最強様。過去のイジメっ子達とカブる。そんな子がハフハフ言っているのを想像するだけでオジさん興奮するの。

 そして2位は俺の隣で頬を膨らませている幼馴染。ナミちゃんとヤれると思っただけでオジさん興奮するの。

 同率2位がカホタン。言わずもがなである。

 さっきから自分のことをオジさんって言ってるけど、別に本当に自分のことをオジさんなんて思ってないからね。冗談でオジさんって言っているだけだからね。

 そして3位は俺の膝の上に座っている無邪気なネコちゃん。もう全身を舐めて毛繕いしてあげたいぐらいである。懐いている小動物っぽい。

 

 ネコちゃんのアゴの下を俺は触った。

「らぁ〜」と言いながら彼女が甘えてくることが判明。

「俺もネコちゃんって呼んでいい?」

「いいよ」

「ネコタソでもいい?」

「いいよ」

「ネコタソは可愛いね」

「らぁ〜」

 ワシ、ギンギンである。


「イチャついてないで、ちゃんと授業受けなさいよ」

 とナミが言った。

「は〜い」とネコタソが言う。

 俺も授業に集中。

 遊んでたらテストの点数が悪くなってしまう。それに内申点にも響く。

 すっかり高校生になってるじゃねぇーか。俺32歳だぞ。



 休み時間が終わってもネコタソは俺の膝の上から降りなかった。

 ずっといてもいいんだよ。

「ねぇ、ねぇ」とネコタソが言った。

「次の時間はなぁに?」

「国語みたい」

「国語の教科書も忘れたみたい」

「それは困った、困った」

「次も教科書見せてくれる?」

「当たり前じゃん」


「ちょっと」とナミが言う。

「教科書忘れたって嘘でしょ」

「嘘じゃないもん」とネコタソが言う。

「ねぇ?」とネコタソが俺に同意を求めてくる。

 教科書を忘れたかどうかは知らん。

 でも俺は一応頷く。

「退きなさいよ」

「なんで?」

「私も教科書忘れたの」

「それじゃあ一緒に見る?」

「どうやって?」

「机をくっつけたらいいじゃん」

「私も膝の上がいいの」

「膝は私のものだもん」

「2つあるでしょう。1つぐらい私にくれてもいいじゃん」

「ダメ」

 俺の膝を奪い合っている。

 我輩、感無量である。まだ膝には名前がない。←あっ、意味わからんことを考えてしまった。膝に名前が無いのは当然である。でも膝小僧というからには膝は男なんだろう。名前が付いていてもおかしくないんだろう。それも小僧っぽい名前。二郎と義男である。


 ナミがネコタソを押しやって、俺の義男を奪って座った。

 ネコタソは二郎の上に座っている。

「あっ、ズルイ」とネコタソが言った。

「独り占めする方がズルイでしょ」

 2人が俺の膝の上で言い合っていた。


 膝の上で言い合うモノだから、少しだけ2人が動く。膝の上で動かれたらコッチは溜まりまへんわ。

 お尻の筋肉が動くのがわかるし、割れ目も感じているし、スカートがめくれ上がって直で乗ってるじゃん。直っていうのはパンツ越しである。

 膝小僧と膝小僧の間に、もう1つ大きな膝ができてしまう。←そうです。下ネタでございます。もう1つの膝に誰か乗ってくれないかな? ←そうです。ド下ネタでございます。


 何者かの気配を感じて、俺は横を向いた。

 俺の横には145センチほどの小さい美少女が喋っていた。まるで彼女は妖精だった。

 髪はストレートで、目はパッチリ二重。ワイシャツが大きいらしく、萌え袖になっている。

 声が小さくて何を喋っているのか聞こえない。

 目が合っている。つまり俺に喋りかけているっぽい。

「俺に喋りかけてるの?」

 と俺は尋ねた。

 ポクリと少女が頷く。

 膝の上の美少女達がうるさくて、彼女の声が聞こえない。

 俺は耳に手を当てた。

 背の小さい美少女が近づいて来る。

 そして俺の耳元で囁いた。


「時間が止まるストップウォッチを使ってみて」


 妖精のような美少女は俺の耳元で囁いた後に去って行った。

 そういえば机の中に誰の物かかわからんストップウォッチを入れている。

 所有者に返さなくちゃ、と思っていたけど、すっかり忘れてしまっていた。

 かといって今すぐ忘れ物置き場に持って行くのか? というと行くわけがない。

 今は膝小僧達が大喜びしている最中なのである。誰かが置いて行ってのかはわからんストップウォッチのために膝小僧達の喜びを止める訳にはいかなかった。

 32年も生きてきて初めて膝小僧達が喜んでいるのである。

 とりあえず妖精のような美少女が言ったようにストップウォッチを使ってみよう。彼女は何て言ってたっけ? 

「時間が止まるストップウォッチを使ってみて」

 時間が止まる? 

 俺は机からストップウッォチを取り出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る