第13話 イタズラ
「イチコちゃんは何をされているのかわかってるんかな?」
と最強女子様が私の耳元で囁きます。
グヘヘへ、と彼女は下品な笑い声を上げました。
「5分間、耐えようね。そしたら男性にもイヤらしいことをしてもらえるから」
そうです。5分間だけ耐え抜けばいいのです。
彼女はパンツ越しに、私のお尻を触りました。
触られたところもないところを人に触られるのは変な感じがします。
最強女子様の細い指が、移動します。
そして、あまり綺麗とは言えないところを彼女は指でなぞるのです。そこはトイレをする時に使うところです。触っちゃらダメです。汚いです。
でも、その部位を触られるとムズッとします。
気持ちいいような、ゾクゾクするような感触です。
とても変な気持ちです。
あっ、と私は小さく声を出してしまいそうになりました。
「声を出したらアカンよ」
と最強女子様に言われてしまいました。
こんなに汚い場所を男性は触るのでしょうか? とても信じられません。
また指が移動します。
「次はお口を犯してあげようかな?」
彼女の細い唇が私の顔に移動してきます。
さっきまで私の汚いところを触っていた指です。その指で唇を触られるのはちょっとイヤだな、と思いました。
「指を拭かなアカンな」
私の汚い部分を触った指を彼女は嗅ぎます。
嗅がないでください、と私は思いました。
その指を最強女子様は飴でも舐めるように、口に咥えました。
「美味しい」と彼女が言います。
絶対に嘘です。
うえっ、と思いました。この人、本当に汚いことをする人だな、と思いました。
でも私は何も言いません。
唾液のついた指が私の唇に触れます。
とても気持ち悪いです。
「イチコちゃんは、まだエチエチな動画を見たことなかったっけ?」
と最強女子様が尋ねます。
私は答えません。
性行為をしている動画を私はまだ見たことがありません。
男性がいなくなり、性のはけ口がなくなったこの世界では違法な手段でしか性知識を手に入れることができなくなっています。
簡単に手に入るらしいのですが私は法を犯すことはありません。
法を犯さずに性行為の動画を見る手段は最強女子様がお持ちになる動画を見させていただくことぐらいでしょう。
彼女のような権力者は性行為の動画を大量に保有しているのです。その動画が違法なモノかどうかを確認するために見る必要があるみたいです。だから最強女子様から見せていただくのは違法ではありません。
「妊娠するには穴の中に棒を入れるんやで」
と最強女子様は私の唇を触りながら言いました。
そして私の口の中に、彼女の唾液がベッタリとついた指が入って来ます。
私だってキスぐらいは知っています。
キスというのは口と口をくっ付けることです。
その延長線上に性行為があるのも知っています。
最強女子様がおっしゃった穴というのはお口のことでしょう。
お口に棒を突っ込めば私達は妊娠するのでしょう。
彼女の細い指が私の口の中を冒険しました。
彼女の細い指は、私の舌の感触を確かめるように、舌を触ります。
クスグッたいです。
そして次は口の上の部分を彼女の指がなぞります。
クスグッたいどころの騒ぎではありません。
もう涙が出ちゃいそうです。
涙は出ませんでしたが、口の端からヨダレがダラーーとこぼれました。
「ヨダレ出したらアカンやん」と最強女子様が言いました。
そして彼女は舌を出して、私が垂らしたヨダレを舌でキャッチしました。
そんな汚いことはやめてください、と私は思いました。
ゴクン、と最強女子様が私のヨダレを飲んでしまいました。
「興奮してきたわ」
と彼女が熱い息を吐きながら言いました。
口に入れていた指を最強女子様が離します。
ようやく解放されました。
彼女は口から赤くて柔らかい舌を突き出しました。
それを私の口の中にねじ込むように入れてきます。
あまりにも5分間が長いです。
彼女のヌメッとした柔らかい部分が私の口内に入って来て、元気なナメクジのように動きます。
そのナメクジは私の舌を狙っているみたいです。
私の舌を絡め取るようにナメクジが吸い付きます。
最強女子様の温かい息が私の口の中に入ってきます。
彼女の指が、またパンツに向かって行きます。そして私の汚い部分を触ります。
もう本当にやめてほしいです。
5分が過ぎ去るのを私は願いました。
そしてストップウッォチから甲高いビービービーと音が鳴りました。
「よく声も出さずに耐えたね」
と最強女子様が私の頭をポンポンと撫でました。
「ありがとうございます」
と私は礼を言いました。
なぜか体がムズムズします。
5分間は長かったです。でも短かったようにも思います。
不思議なことに、もっとやってほしい気持ちもあるのです。
「あの」と私は言いました。
最強女子様に尋ねてみたい質問がありました。
「穴に入れる棒って、なんでもいいんですか?」
「できれば硬くて長くて太い棒の方がええやろう」
その答えを聞いてパッと思いついたのは麺棒でした。パンの生地やうどんの生地を広げる時に使う棒です。あれは口の中に入れるには硬くて長くて太いと思います。
もし男性と性行為ができることがあれば麺棒を使おうと思いました。
「なんで5分なんですか?」
と私は次の質問をしました。
時間を止める制限時間が気になりました。
「それはな」とニヤリと最強女子様が笑いました。「他の子達にも試して、動かずに耐えられるのが5分やってん」
私は部員達を見ました。
みんな顔を真っ赤にさせています。
どうやらイタズラされて耐えさせられたのは私だけではないようです。
「時間を止める練習は学園でもするから」
と最強女子様が言いました。
これを学園規模でやるんですか? さすが最強女子様は考えていることが違います。
ガチャ、と扉が開いて、幼井ナミさんが入って来ました。
そして最強女子様はナミさんに時間を止める魔具を説明して、彼女も5分間耐えるように言いました。
私はメイの隣に座り、最強女子様のイタズラを見ていました。
見るのも恥ずかしいです。こんなことを私はされていたんですね。
それから私達は会議をしました。どうやったら全校生徒にルールを伝える事ができるのか? 時間が止まった時に田中太一君の行動範囲は? 時間を止める魔具は何度も使用可能なのか? 始まりのブザーの音と終わりのブザーの音をわかりやすくするために別の音にした方がいいのではないか? 考えるべきことは多かったです。
気づいたら遅い時間になっていました。
私とメイは同じ車に乗り込み、帰宅しました。
そして帰宅途中に田中太一君を拾ったのです。ナミさんよりも早く、性行為ができるチャンスが来たのです。最強女子様に教えられた知識を生かして彼に性行為をしました。
性行為をしている時の彼は苦しそうでした。
田中太一君を拉致したことが日本政府の人間に見つかってしまいました。
罪人に私はなってしまったのです。
つい出来心でした。妊娠したい、という思いもありました。それになによりナミさんよりも先に性行為をしたい、という思いもありました。それに男性に興味もありました。
だから私は田中太一君を拾ってしまったのです。
彼は私のことを庇ってくれました。田中太一君の優しさで私達が彼を拉致したことは不問になりました。
彼は優しい人でした。男性というよりも人間として素晴らしい人でした。
罪深い私のことも許してくれるのです。
彼のことを思うと胸の奥がギュッと痛くなります。それに私の下半身の汚い部分がムズッとするのです。
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