♠俺のベッドスコア
翌日も夕食を食べたらAV鑑賞だという。
今日は六十分間で、最初の三十分は音声がなく、後半はモノクロに加工され、殆ど映像が見えないほどに薄暗く加工された画面にやたら色っぽい音声が流れる物。
アンドロイドを椅子にして座り、鑑賞後は妻と交代するのは相変わらずだったが、多少は耐性ができたのかガチガチにならずに済んだ。梨奈もさすがに二日続けての粗相はなかったようだ。
三日目からは実践になった。
我慢していたことをできるのだから、どこかウキウキしてる自分がいた。
ベッドを囲むように何台ものカメラが置かれ、そこで梨奈を相手に男女の営みをするのだという。一昨日の件があるので、ハードルは結構低いと思っていたのだが……
「あなた、それ」
だよな、肝心なところで俺自身が役勃たずになっている。
カメラがあるせいで緊張しているのだ。AV男優の希望者がカメラの前だと不能になってしまうと言う話を聞いたことがあるが、まさにそんな状態になっている。これじゃレス解消どころか以前よりも酷い状態だ。
アンドロイドからこれまでにしていたパターンで行為に至ってくれと言われている。いつものことでもそんな風に言われると自然にはできなくなっているからこんなことになっているのかも知れない。
いずれにせよ、これでは話にならない。穴があったら挿れたい…じゃなかった、入りたい。
この状態を見たアンドロイドが妻に手と口で起動状態にして欲しいと頼んでいる。
これ程必死に妻が分身放出器官を愛でてくれているのを見ていたら何とか起立状態までになった。
それからはいつものワンパターンで最後まで到達できた。一ヶ月以上ご無沙汰していてもカラダは覚えているものだ。梨奈もしっかり反応しているように見えた。
これも二日ほどするのだそうだ。
ただし明日は今日とは違うパターンで行ってくれと言われている。わからなければAVで勉強して欲しいとも。
昨日はずっと正面で交わっていたので、今日は背後からしてみる。梨奈はあまり好きではない体位だと言っていたし、実際少し嫌そうだった。申し訳なく思っていたら途中で萎えてしまった。
梨奈が慰めてくれて、アンドロイドから欲求不満になるよりも最後まで出した方が良いと言われ、情けないことに梨奈が見せてくれた彼女自身をオカズに自分で処理した。
翌々日の朝、見せられたのは一枚のレポート。
これまでの分析からこの二日間の行為について俺に関するスコアと反省点が出ている。
目から鱗だったのは、梨奈が好みだと思っていた前戯や体位がAV鑑賞から得たデータと全然違っていたことだ。性感帯の開発が全然できていないので、本人の先入観だけで好き嫌いを決めているらしい。だからそこを開かせる努力をすればマンネリが解消し、バリエーションが増えることでレスも解消できるはずだという。
それにしても一日目が四十五点で二日目が二十点とは情けない。初めて肌を合わせてから千回以上はシているのに、今までの経験は何だったんだろうと思う。
改善事項や妻が望んでいるはずの愛撫や体位が書いてあり、マンネリにならないローテーションの方法まで示されている。セクソロイド恐るべし。
これに従って十日間愛し合って欲しいと言われた。
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