♠彼女との初戦
「ご主人様、はじめまして」
とても礼儀正しく三つ指を着いて挨拶してくる。
全裸なのが異様だが、印象は悪くない。梨奈も好感を持ったみたいだ。
早速付属の服を着せる。今は春だがアンドロイドに寒暖の感覚はないのでデフォルトは常に水着だそうだ。
白、黒と水色の三色が付属している。因みにどれも標準的なビキニだがハミ乳が結構凄かったりする。眼福と感じる男性は多いのだろう。俺達は白を選んだ。
使用初日なので最初は使用者を知ることから始まるのだそうだ。
一番最初にすることはビデオの鑑賞。
アンドロイドと二人(一人と一体が正確かも知れないが、人とカウントしておく)きりで映像を見ながら俺の好きな体位やプレイなどをアンドロイドが認識していくのだそうだ。
梨奈には申し訳ないが、寝室に二人きりで入り、お互いに服を脱いでテレビのスイッチを入れる。
九十分のオムニバス映像を見るのだが、問題はその体勢だ。彼女を椅子にして俺がもたれるように座る。豊満な双球が背中に当たるのはもちろん、右手が分身放出器官を握り、左手は左胸に当てられている。これで映像を見た時の体の反応を探るのだろう。
流れる映像は標準的なポルノ、ただし三分ごとに様々な映像が切り替わっていく。
体位、プレイ、行為までの過程、相手の反応の仕方などバリエーションがいろいろあり、それらが切り替わるたびにどうやら彼女が俺がどう反応しているかのデータを取っているようだ。
これが正直辛い。
何せ見ているのはそのものズバリの映像だから俺のカラダは正直に反応する。
彼女は硬くなった部分を握っている手を全く動かさない。握る力も変わっていないが、第三者に掴まれている感覚はあるので、それで妙に股間がむずがゆい。
いっそ手を動かして溜まっている物を出して軽くて欲しいという気持ちが強くなってくる。
カラダの力を抜くようにと指示されてはいるものの、何一つできずずっと受け身でいるのは情けないし、モヤモヤした物が溜まっていく。
ある種の拷問と言っても納得できる位にはストレスが溜まる。
とはいえ、ようやく解放された時にはもはや映像を見ていても何も感じなくなっていた。
ああいうものは見慣れてしまうとただの全身運動に過ぎず、格好が裸なだけで二人で協力し合って体をほぐしている位にしか思わなくなっていた。
三十手前にして性を悟ってしまった気がする。
そんなことを思いながら、アンドロイドの体から離れてその姿を見るとビデオに出てきたどの女性よりも魅力ある容姿をしている。
さっきまで達観していたというのに、もう一度血液が集中していく感覚がある。
男って馬鹿だなと思うと同時に硬くなったそれを柔らかくしなきゃと言う衝動が起きてきた。
「次は奥様の番ですから十分後にこちらまで来るようにお伝え下さい」
そう伝言されて部屋の外に出た俺は一直線にトイレに直行した。
それから一分もしないうちに股間の張りは治まった。
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