第6話 旅行

 中3になった頃のことだった。夏休みの前に、B君はAちゃんにある提案をした。


「一緒に旅行行かない?」

「うん。いいよ。どこに?」

「泊りで行きたいんだけど・・・でも、親が反対すると思うんだよ」

「うん。うちも無理だと思う」

「だから、日帰りで帰って来ることにして、1泊して戻ってこよう。怒られるかもしれないけど・・・どうしても行きたいから」

 AちゃんはB君が、SEXしたいんだと思った。

 もう、2年付き合っているし、B君を信頼していたから、それでもよかった。

 友達でも、もう彼氏としている子もいた。


「いいよ」

 Aちゃんは承諾した。

 2人は家出の計画を練った。

 行先は、関東近県で2人で海を見に行く。

 宿泊先はラブホテル。無人の所があって、子どもでも入れるらしいとネットで仕入れていたからだ。カードだとバレるから現金払いにする。

 ホテルにチェックインするときは、B君は眼鏡をかけて、Aちゃんはお化粧して行く。

 それに、スマホの電源を入れていたらGPSで見つかってしまうから、電源を切ることにした。それで、公衆電話から「明日には必ず帰る」と、お互いの家に連絡するんだ。親は捜索願を出すかもしれない・・・B君は思っていた。


 Aちゃんは、彼氏と初めてホテルに行くから、新しい下着を自分で買って持って行った。仲のいい友達には彼氏と初めてSEXするかもしれないと相談していた。親には内緒だった。友達は避妊した方がいいよと言っていたが、B君にはどうするか聞けなかった。たぶん、一回くらいなら大丈夫だ・・・Aちゃんは思った。でも、何日も悩んでから、自分で持って行こうと決めた・・・Aちゃんは親が寝室の引き出しに、コンドームを隠しているのを知っていたから、そこから2個取ってリュックに入れた。

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