第5話 再会
それから、2人は急速に仲良くなった。
暇さえあれば、ずっとLineをやっていた。
彼は週2回、大学受験に向けた塾に通っていた。英語と数学。
将来は弁護士か医者になるように親から言われていたんだ。
家が近所だったから、2人は忙しい合間を縫って会ってみることにした。
待ち合せるところが思いつかなくて、2人は児童公園で会うことにした。
近いんだけど、学区じゃないし、あんまり人目に付かなそうなところだった。
Aちゃんは、それまで公園なんか行ったことがなかった。
親が忙しくて連れていかなかったからだ。それに、親は服が汚れるのも嫌がっていた。
どんな人が来るんだろう・・・Aちゃんはドキドキした。
変な人だったら嫌だな。
すると、現れたのは、色白で線の細いイケメンだった。
お母さんが色白の美人で、似ていたからだ。
Aちゃんは少女漫画が好きだったから、一瞬でタイプだと思った。
「B君?」
「うん。Aちゃん?」
B君もAちゃんがかわいかったので、”やった”と思っていた。
2人は公園のベンチで何時間も喋った。お互い会っていなかった時期のこと。何が好きで、普段時間がある時はどんなことをしてるか。2人は時間を忘れて喋った。話題は尽きなかった。2人は保育園の頃から、すごく波長が合っていたからだ。
運よくB君は彼女がいなかった。Aちゃんは、その日のうちに彼氏と別れてB君と付き合い始めた。Aちゃんは、お母さんにはB君がまだ近くに住んでいること、連絡先がわかったことなどを伝えていた。お母さんは喜んだ。
保育園に迎えに行って、B君とそのお母さんと一緒に帰ったことがあったのだが、その時、2人が横断歩道を手をつないで渡って行ったのを見た。左右同じ足、同じリズムで、白線をぴょんぴょんと渡って行った。その時、本当にこの子たちは合うんだ、と確信したんだ。
B君は親には黙っていた。小学校の頃から、勉強のできる子としか付き合っちゃいけないと言われていたからだ。ただの友達ならともかく、彼女だったらもっとうるさく言われるに決まってる。Aちゃんだったら絶対反対されるとわかっていた。
Aちゃんは、親がいない時、B君を家に呼んだりしていた。
そして、お菓子を食べたり、リビングで2人でゲームをしたりした。
そうやって、2人は中学3年生になった。
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