第2話 新しい生活
Aちゃんは、せっかく受験して私立のお嬢様学校に行ったけど、実際は大変だった。いじめがあったり、勉強が大変だったりと、すごく苦労していた。私立は裕福な家庭の子が多いから、穏やかで優しい子ばかり。みんな仲がいいなんて、いいことばっかりが学校掲示板に書いてあるけど、そんなのは嘘だ。人が集まれば、上下関係が生まれていじめが起きる。これはどこにいても変わらない。
Aちゃんは、付属校に進学しないで、別の学校を中学受験をした。
でも、受験に失敗して、かなりレベルの低い中学校に進学した。小学校の同級生からは、わざわざ受験したのにあんな所に・・・と陰口を言われていたのだが、Aちゃんはもうあの人たちに会わなくても済むとほっとしていた。親もAちゃんが悩んでいるのを知っていたから、もう、お嬢様学校に通わせようなんて気持ちはなくなっていた。
4月からは完全に新しい環境。知っている人は一人もいなかった。塾の友達は、もっとレベルの高い学校に受かっていたからだ。Aちゃんは、もともと明るい性格だったから、すぐに友達ができた。毎日どんどん友達が増えて、クラスの全員と喋れるようになった。たくさんの友達に囲まれた生活。かわいい子が多いと言われるダンス部にも入っていた。
Aちゃんは特に友達が多い子だった。クラスと学年両方にグループLineがあって、さらに遊ぶ友達で作ったLineグループもあり、すべてに入っていた。というか、入れられていたらしい。気さくで、誘いやすい感じだったんだろう。毎日、Lineが何千件も来る。もちろん、すべてに目を通してはいないが、家に帰っても一人の時間はないくらいだった。
それに、顔が可愛かったらから、何人もの男子に告白されて、あっという間に彼氏もできた。
Aちゃんはすごく充実した毎日を過ごしていたように見えた。
でも、心の中にはぽっかり穴が空いていた。
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