第14話 門番、ベリーと死にかけの人を見つける


森はいいっすねー…無駄な音がなく、空気も澄んでる。

「ふわぁ」

眠いぃ

門番だけじゃなく周りの見回りまでさせるのひどくないっすかーまあ……

そのおかげで美味しい実を食べれて、静かに寝れるんすけど

「ベリーみっけー」

…?いつもより数少ない気がするなぁ

この赤いベリーは一日ごとに実ができる

だからこの世界ではよく栽培され、よく食べられてるんっす!

その摘たて独り占めですよ!最高ダネッッ

もう少し過ぎればオレンジのベリーもあるっす!


んあ?誰か仰向けで倒れてるっすね

あ…あれって…

「白髪の子!」

やばくないすか

血が出てるっす!助けないとしんじまうっす!

「大丈夫すか!?」

「……あ"あぁ大丈夫でずゔ」

「声が大丈夫じゃないっす!」

「大丈夫ですって…お腹を軽く刺されただけです…」

だけって…バケモンか

「よいしょ」

起き上がった!血が止まったっす…

やだこいつ怖いっ

「わかりやすく引かないでくださいよ」

ああ…いつのまにか顔がひきつってた…

「はぁ…助けられなかった…」

「何があったんすか!まさか山賊に襲われたとか!」

「山賊?なのかな…そこらへんに住んでるおっさんみたいな感じかな」

「…ちなみに何を助けられなかったんすか」

「奴隷の子」

改めて自分の無力さを知った

覚醒しても小さな少女に刺された…情けない

「奴隷の子助けようとはしたんすか、そりゃなぜに」

「え?奴隷はダメだろ普通に考えて」

「何いってんすか」



「奴隷に人権はねえっすよ?」



「解放しようとするのも普通ダメなんすよ?」

え?やっぱうちの国?世界?が違うんだ

「そうなんだね…」

「奴隷は奴隷っす。いわゆる命ある道具っすね」

この世界では普通なんだ…

それにしても酷いけど…

「けど奴隷から成り上がる子もいるみたいっすからねえ〜。最近なら奴隷から王国の兵士の指揮官になった子もいたっすね」

だからなんなんだよぉ

「わああああ!…………」

「びっくりした!驚かせないでくださいよ

てかどれぐらい寝てたんすか」

「数時間?」

「ひえーよく害獣に襲われなかったっすね」

「運がよかったな…それにしても害獣の気配がないけどね」

「まぁいいや戻るっすよ。もう夜っす」

ん?なんすかねあれ

赤いっす…ベリーすかね

いや、こんな夜にベリーは光らないっす

「ゔぇあ"」

!?

「どうしたの」

「ぞ、ゾンビっす!」

「あと奥におっさんみたいなと細い青年がいるっす…」

え?それって


まさか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る