第13話 弔いと最後のアステリズム
_____ミナル大学病院、魔の四階。
ラムネとヒラノは、予定通り納骨へとお参りへ来た。
「……安らかに眠ってよね。」
「……また、いつか。」
その時、マギが姿を表す。
どうやら、ラムネ達に伝えたいことがある模様。
「よぉ……来たんだな……」
「ちょっと、着いてきて欲しいぜ。」
そう言われ、ラムネとヒラノはマギに着いていく。
到着したのは火葬炉の中。
「……こんな物理的にきな臭い所に連れてって、なんのわけ。」
「ここの……一番奥、どっかに繋がってるぜ」
「ちょっと、飛び入ってみないか?」
ラムネとヒラノは、仕方がないなぁ。と思いつつも受領した。
「……わかったわけ。」
_____
火葬炉の謎のポータルから出ると、そこは白黒の世界だった。
色があるのは一人、黒い服にピンクの髪の女の子。
帽子は蝋燭のように火が灯り、彼女は憂鬱な表情を浮かべる。
「ここに来た、ってことは……」
「そっか、この世界。壊れちゃったん、ダネ。」
「壊れた……って、どういうわけ。そもそもお前は誰なわけ。」
「ボクはアーティノイズ、創世したかったけど出来なかった一人の堕落した魔法使い、さ。」
「創世……!」
そこでラムネは全てを思い出し、全てを悟った。
_____
創世軍団
世界をより良いものにする為に一度崩壊させ、再建築を試みる集団
たった今、リーダーがアーティノイズという少女であることが明かされた。
_____
「お、お前が……!アスタローシェを、八切組を……!」
「仕方がないんダ。創世には犠牲がつきものサ。」
「彼らには犠牲になってもらう他なかったんだよ」
ラムネは許せなかった。
いくら対敵したとはいえ、少しでも関わりがあった、縁があったアスタローシェや八切組を崩壊させる原因となった彼女を。
_____
「……アーティノイズ」
「ぶっ殺してやる!!!」
そういい、ラムネは魔法で作った光の弓矢を構え、放つ。
確かに矢は当たったが、アーティノイズはびくともしない。
「……創世の為なら、この程度蚊に刺された程度さ。」
「……。」
マギは看破していた。
ラムネの魔法がアーティノイズに全く効かない理由を。
_____
「なぁ、ラムネと言ったな。」
「……なんなわけ。」
「お前……無意識に心を閉ざしてる」
「だから、アイツにも魔法は効かない」
「それだけだぜ。」
「だからって……どうしたらいいわけ!」
「まぁ、そう、カリカリするな」
「俺がお前の心を開いてやるから、よ。」
そういい、マギは魔法で作った鍵をラムネの胸に優しくさす。
「これでいけるはずだぜ。まぁ、試してみな」
「……ありがとう。」
_____
その時、ラムネは覚醒したように容姿が変わっていた。
エメラルド色の服に身を包み、目は水色から紫へ。
まるで、本当に心を開いたように。
_____直に、夜も明ける筈さ。
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