第12話 狂った世界と、トランプの8

 「……なぁ、センヘル。」


 「言いたいことなら分かるよ。神廻名もそう思うでしょ?」


 「そう、ですね……。」


_____


 アスタローシェの崩壊を目の当たりにした八切組は、その日以降ずっとこう思っていた。


 2022


 「はは……俺たちのやってきた事って、何だったんだろう、な。」


 「もう……あたしもわかんないよ……。」


 「どうする?俺らももうひと騒ぎする?」


 「でもまたあのラムネに捕まるよ?」


_____


 「終末時計、残り50分ちょっと。」


_____


 スペイドとセンヘルは、もう何が正しくて、何が間違いなのか分からなくなっていた。

 この際、もう一度2022を掲げても悪くはないけど、そうしたらまたシャルドーネに目をつけられる。


 「ああもう、頭の中がグルグルしてきたもん。」

 「何を考えたいのか、わかんなくなってきた感じ。」


 センヘルの情緒と理性が壊れ始める。

 人格崩壊も、時間の問題だろう。


_____


 「……ボクの本体。どこへ行くつもりなんデスカ?」


 「……流石に可哀想だから、あの病院の四階の納骨堂へさ、二人のお参りくらい行ってもいいじゃん。」


 そう言いながら、ラムネラジオとヒラノはミナル大学病院へ足を運ぶ。

 その時。


 「よぉ……久しぶりだな。」


 「あんたは、カフェメイガスの。」


 「一つ忠告しておく。あの病院の四階の火葬炉の中、間違いなくを隠してるぜ。」

 「それじゃあな。」


 そう言うと、マギは姿をくらました。


_____


 「あー……頭の中がぐるぐるしてくる。」

 「うー……何も考えれない……うう……。」


 センヘルは、グルグルと辺りを歩きながら唸っていた。

 今の彼女はもう、と言っても過言ではない。


 「あたし……もう」

 「いいよね……うん。」


 そう言いながら、センヘルはパレットナイフを首に充てる。


 『スパッ』


_____


 センヘル・ナイトクラッシャー


 17歳(早生まれ) 三兄弟の真ん中


 八切組結成の理由:兄と妹を守る為


_____


 「お、おい……何してんだよ!」


 スペイドは、センヘルの死体に呼びかける。

 しかし、当然反応などない。


 「なんで……なんでだよ……。」


 スペイドは、もう藁にも縋る思いでを扱える魔法使い、ラムネに頼み込む。


 『トゥルルル……』


 『頼む、至急来てくれ。蘇生使えるだろ』


_____


 「……そう」

 「センヘルの蘇生をすればいいわけ。」


 そういい、ラムネはセンヘルの首元に手を優しく充て、蘇生魔法を唱える。


 しかし


 『パァンッ!』


 「……え……」


 「死体が……飛び散った……。」


 センヘルの身体と、ラムネの魔法のが正反対で、センヘルは生き返るどころか逆にバラバラになってしまった。


 「おい!どうしてくれんだよ!」

 「よくも、俺の仲間を……」


 反発するスペイドに対し、ラムネとヒラノは冷静だった。


_____


 「……キミたち、まだ若い2014年のキミたち。」

 「もう、に帰りな。」


 そういい、ヒラノは時空の扉を開き、八切組を2014年に戻し時空の扉を鎖した。


_____


 「……それじゃあ、行こっか。」


 「そうだね、ボクのドッペル。」


 そういい、改めて二人はミナル大学病院へと足を運ぶ。


 そろそろ、夜も更けてくる頃だ_____

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