第11話 薄氷のアスタローシェ
一度白旗を挙げたサニーブルー。
しかしサニーブルーも、ジャックススペイドも、そしてラムネラジオもまだ《やる気……否、《殺る気》》であった。
「なぁラムネラジオ。」
「ハイハイ、言いたいことは分かるわけ。」
そう話していた時だった。
魔の四階から、一人の魔女が降りてくる。
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「よぉ。」
「あ、あんたは。」
そう、カフェメイガスのあいつ……マギだ。
「ここはさ、俺に任せてくれないか?」
「俺さ、この病院ぶっ潰さないといけねぇ気がすんだよ。」
そう提案するマギに対し、ラムネとスペイドは二つ返事だった。
「へっ、任せるぜ。カフェの魔女さんよ。」
「ボクも賛成なわけ。一思いに殺ってほしいわけ。」
「おう、じゃあ……」
「サニーブルー=アッフェンバルツ!俺と闘え!」
マギの怒号に、サニーブルーはやれやれ。という顔をしながらチャクラムを構える。
「解りました。貴方も服従させますよ。」
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パチパチパチ、と魔法と魔法がぶつかり合う音がする。
それは皮肉な程に、花火のように綺麗で。
でも、実際はとても血生臭くて。
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「うらぁーっ!」
「ふぅん?魔女の割に脳筋なんですね?」
サニーブルーはヒラヒラと攻撃を交わし続ける。
しかし、マギには奥の手があった。
「しゃーねぇ……����が流れ弾喰らうのは申し訳ねぇが、ちょいこの魔法、使わせて頂くぜ。」
「オンパッキャラマド!!!」
そうマギが叫ぶと、サニーブルーの弱点は鏡で映したように露わになる。
「人形部隊、突撃ぃー!」
そういい、マギは沢山の人形に命令しサニーブルーを満身創痍にさせた。
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サニーブルー、敗北。
それを理由に、サニーブルーは壊れ始めた。
「あ……あは、あははははは。」
「そっか……モンスター同士でも争うような世の中でこんな建前つけないんですね……。」
「あン?建前?」
スペイドは、サニーブルーの発言に耳を傾ける。
「あは、あははははは。私たちアスタローシェの本来の目的は」
「創世軍団の復活だったんですよ」
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サニーブルー=アッフェンバルツ
享年15歳 大空財閥の息子
アスタローシェ結成の理由:創世軍団の復活
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「あは、あはははははは」
サニーブルーは壊れた笑いが耐えないまま、フェリが遺したメスを腹に充てがう。
その時。
『ざくっ』
「え、おい……」
「コイツまで自害するとか、なんなわけ」
「完全にイカレてんな……。」
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「ねぇ兄ちゃん、もう、帰ろうか。」
「そうですね。僕達は間違えていたのです。」
「俺も、罪を償うよ。」
「私も。」
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あれから数日。
アスタローシェは完全に崩壊してしまった。
それもそうだ、リーダーと副リーダーが自害するような脆い組織に過ぎなかったのだから_____
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