第5話 二組の”監視人”
「「フエラムネ、けっせーい!」」
改めて利害の一致で手を組んだフェリとラムネラジオ。
彼らを見守っていたのは、シャルドーネとアスタローシェだけではなかった。
_____
「んー……。」
「最近、物騒な世の中だよなぁー……。」
一人のボサボサの髪の魔女は、コーヒーを飲みながら空高くから箒で見届けていた。
「まぁ、いざとなったら俺も動くか。」
「それまでは様子見だな。」
「触らぬ神に祟りなし。って言うし、さ。」
そう言い、魔女は空のどこかへと飛んでいってしまった。
_____
_____エスフェラ、鏡の神殿。
「……という訳で、遂に我々七枷ネゴシエーターの出番が来てしまったようですね。」
そういうのは、鏡を背後に小さな少女。
名をクロエ。
「りうかい、まぁ俺たちが一気に災厄諸共奪い取ってやればすっかりお終い、だろ?」
「うふふ!世間に私の裸を見せる時が来たのね〜♪胸騒ぎがするわ♪」
「……んー……いざとなったら操り人形もいるし、ひとまずは監視だよね。」
「……このまま、何事もなければいいのです、が……。」
「あたちサマ!この世界でもっと遊ぶの!」
「うーん、クリスが他の奴らに見られるのが妬ましいけど……仕方がないよね。」
「ふぁ……これもある種、の……酔生夢死?」
_____
クロエは、一同が鏡へと入っていくのを見て、はぁ。とため息をつく。
「余命、もって1ヶ月。」
_____
シャルドーネ。
「さて、八切組を止めに行きますかぁ。」
「ッス!」
_____
フェリとラムネ、改めフエラムネは、いつも通り荒れている八切組の幹部、スペイドへと話を聞く。
「ねぇ、なんでそんなに2022年に抗うわけッス?」
「そうだよ、おとなしーく2014年の世界に居れば幸せなわけ。」
そんな二人に対しスペイドは聞く耳を持たない。
『その事情、僕達からも聞かせてもらっていいかな。』
_____
突如現れた鏡と、茶髪に口を縫ったあとのある少女と、青い髪の少女が出てくる。
「良しも悪しも少し……記録させて、くれない、かな。」
「あ、僕は……
「僕は……
「あんまり暴れ出すと……僕の操り人形が暴れ出すからね。」
スペイドは、はぁ?という顔を隠しきれなかった。
「あんだよそれ?俺はこの2022年って腐れはてた運命に抗うだけなんだよ?」
「2022年に抗いたい。確かに記録したよ。」
「理由も……ちゃんと、記録……しました。」
そう言い、ライムと喰良は鏡に戻り、去り際に一言を残した。
「このままだと、あんたら更に悪化するよ。」
「……大人しく運命を、受け入れな。」
_____
_____上空。
魔女は、再び下界を見守る。
「裁判長の部下たちも来ちまったかぁ〜……これはもう終わりの始まり。って感じ……だな。」
_____もみじ谷の、終末時計は動き始めた_____
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