第11話 かな
「この場で!かなを殺す!」
華格院はそう宣言するやいなや、かなに飛びかかった。
「新垣!妖刀は出したか!」
「出しました!」
「なら戦え!」
「二人で勝てると思ってるの?勝てる訳がないじゃん」
かなが斬撃を放つ。
新垣がそれをかわしながら、妖力を解放する。
「「妖力解放!」」
華格院も同時に妖力を解放した。
「死ね!かな!」
「無理だよ!私は死ねない!あの人との約束を果たすまでは!」
「なら何故、妖になった!」
「うるさい!黙って!華格院こそ死になさいよ!」
二人の妖の力が、真正面からぶつかる。
新垣は応戦するにもできない状態だった。
「オラァ!これが白の力だ!」
「妖力展開!」
新垣には何が起こったのか理解できなかった。
かなは、華格院の白い妖力を真正面から受け止めた。
「妖力解放!」
「解放させるか!」
新垣の妖刀の刀身が紫に光る。
「紫・白狼」
新垣の妖刀から、狼が飛び出す。
「なっ!?どういうこと?」
「成仏してくれぇ!」
新垣の刀身がかなを捉えた。
が、浅い。
その瞬間にかなの傷は治癒された。
「すぐ治癒されたんですけど!?」
「焦るな!冷静に攻撃を続けろ!」
華格院からそんな言葉が飛んでくる。
「だから無駄だって。勝てる訳ないの。分かる?」
新垣は後ろに吹っ飛ばされた。
「勝てても、勝てなくても俺は攻撃し続けるぞ!」
「オラァ!妖力の一点突破だ!」
「ぐっ!」
かながよろけた。
初めてかなに、かなりのダメージを与える事に成功した華格院である。
だが、すぐに体制を立て直して来る。
「いい加減、分かりなさいよ!」
かながかなりの範囲に斬撃を飛ばす。
だが、いつまでも攻撃をくらっているだけの新垣ではない。
妖刀で弾き返す。
「なっ!?」
「人間舐めんな!いい加減消えろー!」
新垣が妖刀を振りかざす。
同時に華格院が再び、妖力の一点突破で突撃する。
「死ね。かな」
二人の攻撃が当たる。
そしてかなは、後ろに倒れた。
「まだ、死ぬ訳には。グボァ!」
かなが血を吐きながら立ち上がる。
「妖力解放」
「成仏して下さい」
新垣はそう言って、かなの心臓に妖刀を突き刺した。
「死んだか。いや、待て!血が飛んでいる!?」
「はぁ!?死んでないんですか!?」
死んでもなお、かなは攻撃を続けてきた。
肉体はなく、血が宙を舞い、形を変え、攻撃してくる。
「新垣!妖刀で血を叩き切れ!」
「切れるんですか!?」
「黙ってやれ!」
「オラァ!」
音を立てて血が落ちた。
そして、灰になって消えた。
「華格院さん。疲れました」
「帰るか」
「そうですね」
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