第11話 土下座謝罪



「申し訳ありませんでした」




お風呂で、若い女性の裸を見てしまった事件、

相手の女の人が、夕日見たさに、早く入浴し過ぎたらしい。


お婆さんは庇ってくれたものの、俺はとにかく謝罪した。



もとよりバイト三昧の日々、折られるプライドなど有りはしない。先手謝罪が日本では絶対正義・・・



相手の女の人は、じっとこっちを観察している。


(あれ・・・この人、黒っぽい髪で・・・若いもしかしたら、俺と同い年くらいの女子高生?)


あまりじっと見るのも悪いので、目を逸らす。


今はただ謝罪して嵐が過ぎるのを待つしかない・・・




横を見ると、ヨロがこっちを尻尾を振りながら見ている。


(こっちに寄ってくるな・・・今取り込み中・・・)



ヨロは、自分の横にやって来て・・・お尻を上げて、頭を伏せる。


「ん?」


これ・・・土下座のマネっこって事なんだろうか?




「・・・か・・・可愛い」




目の前の彼女の視線は、ヨロに釘付けとなり、


裸を見てしまった件はその瞬間から、有耶無耶になっていった。








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