第12話 ヨロのファインプレー



我が家の飼い犬ヨロは、大人しい犬だ。




元野良犬、

近所の野良猫がたくさん住んでいた雑木林に「一匹だけ犬が混じってる!」と大騒ぎになり、保健所が出動して殺処分されそうな所を母が飼うことになった。



吠えないし、噛まない、

散歩しても、決まった場所でしかトイレをしようとしない。



この辺り、こいつ自分の事、猫だと思って『マネ』をしている節があると俺はなんとなく思っている。



「可愛い」



裸を見てしまった女子は、ヨロを撫でるのに夢中だ。



初めての人にも結構懐いてるな・・・



表情が死んでるから懐いているのか微妙だが、噛んだり吠えたりはおそらくしないはず、


「いいなー、犬・・・ウチはペット禁止だから飼えないし・・・」



「そんなに気に入ったんなら、一晩あずかって良いよ」



「良いの?」



女子はめっちゃ嬉しそうだ。


俺自身犬の面倒見る負担減ってむしろラッキーだし


「一緒に寝たりしても?」


こいつは、いつも母さんの布団で寝てるからその辺も大丈夫だろう。



俺は生暖かい目で女子とヨロを見送る。



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