第8話 起床



ピピピピピ・・・




スマホのアラームのけたたましい音が鳴り響く。


(うう・・・早く消さないと妹に怒られる)


ほぼ本能のままにアラームを消す。



「・・・」



しばらくぼんやりしていたが、はっと我に変える。


(ココ・・・どこ?)



ここはいつもの家の寝室だ。

昨日のホテルは一体何だったんだ・・・夢?・・・それにしてはあまりにクリアに思い出せ過ぎて、怖い。



「・・・ヤバ・・・もうこんな時間だ。学校遅刻する!」



大急ぎで身支度を整えて家を出る。「行ってきます」というと「いってらっしゃい」という夜勤明けの母の声が聞こえた気がした。




$$$




ヨロは尻尾を振っている。


母が自分のお皿にご飯を入れて持ってくる。


「ヨロちゃん、はい、朝ご飯」



ヨロは咥えていた『花』を母親に差し出す。



「まぁ、ヨロちゃん、ありがと、綺麗な花ね」



その見慣れない花は、花の街の宿に生えていたモノだった。









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