第4話 『浚巡する幽霊さん』

 和尚さまが情け容赦なく言います。


 『おそらくは、お好きな人が、この世にあり、諦めきれないのでありましょうな。なに、推測ですぞ。世の中、そうした場合がよくありましてな。』


 幽霊さんは、ひたすら、うつ向いたままです。


 ちょっと、可愛そうになりました。


 『和尚さん、人には、言いたくない事もありますから、あまり追及なしにて、天国に行く道を教えてあげてくらさい。』


 『さようか。しかし、このご仁は、本心では、一人にて天国に行きたくはないのでありましょうな。』


 幽霊さんは、さらにさらに、うつ向きになりました。


 お顔が後ろ側から、透けて見えそうです。


 『それは、つまり、誰か、道ずれにしたいとか。』


 『さよう。』


 『しかし、お寺にも行けないんだから、なんだか、無理そう。』


 『うむ、そこですな。おそらく………』


 『おそらく?』


 『おそらく………




     ??????????

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