第14話
何故か結城さんは私のことをゆづ葉
家族認定してくれた?
でも早急すぎないかな?
疑問に思ったが結城さんがなにやら興奮していて聞ける状態じゃない。
「きゃー学校外でゆづ葉お姉様に逢えるなんて、、運命?!
えっでも待って、、、今日はお兄ちゃんの彼女さんがくるって!
もっもっもしかしてゆづ葉お姉様が彼女!!?」
あっ、結城さんが止まった。
これでやっと聞けると思ったら
「結城、少しは落ち着きなさい。」
あっ咲お姉ちゃんがいつの間にか復旧している、良かったぁ。
はじめさんも同じく動き出しており、うんうんと頷いでいる。
「だってー、うちの学校の女神、ゆづ葉お姉様だよ!!興奮しない方が可笑しいよ!」
お姉様に続き女神って。。。
話が全然見えない。
「もう、いつもそればかりね。
それはいいから挨拶しなさい。ゆづ葉ははじめのお嫁さんになる人なんだから。」
嫁認定頂きました。
え?え?私たちの関係は周りに非難されてもおかしくないのに、、優しい人達に恵まれているんだなと実感し感動した。
「、、ホントなんだ。ゆづ葉お姉様がはじめ兄の彼女。。そして未来の嫁。
嬉しい、、、そう嬉しいんだけど、、みんなのお姉様が誰か一人のものになってしまう寂しさが、、、。
いや、でも!でも!ゆづ葉お姉様の《唯一》じゃないけど家族になれる!って事は私もずっと一緒に居れるじゃん!!!
やっぱサイコーーー!!
あっ!でもみんなに黙ってないと抹○されるよね!!!?ーーーいや大丈夫、もしもがあっても、、、幸せの為、、乗り切ってみせる。」
結城さんは何かブツブツ言っているがパッとこっちを見ると自己紹介が始まった。
「えーと、失礼しました。わたし、はじめ兄の姪の結城と言います。兄と言ってますが叔父と姪の関係になります。それはママかはじめ兄に聞いてますよね?
現在高一でゆづ葉おね、、じゃなく本郷先輩と同じ高校に通っています。
えーと不束な兄ですが末永くお願いします。あと私のことも
結城さん、畏まっちゃって可愛い!!
しかも妹だって!!久々にはじめさん以外に可愛いセンサーが働いた。
その為ポロポロ言葉が溢れてくる。
「ゆづ葉で良いよ。結城ちゃんも敬語辞めて良いからね!その方が嬉しいな。
そうそう、私たち下駄箱向かい側で良く会うよね?可愛いなってずっと思ってたんだ。
そんな子がはじめさんの姪御さんだったなんてすっごい嬉しいな。
はじめさんを絶対に幸せにするし結城ちゃんも咲お姉ちゃんも幸せにするから、、、だから末永く宜しくしてね。
ーーーへへへっ、なんか可愛い妹が出来きてはしゃいじゃった、、恥ずかしい。。
こんな私だけど嫌いにならないで欲しいな。」
結城ちゃんが可愛い過ぎてつい調子に乗ってしまった。大丈夫だったかなと顔を覗き込むがーーー表情が固まって反応が無い。
まさか!嫌われてしまったのか!
「おい本郷、もう十分だやめてやれ。このままじゃ再起不能になる。
結城は、、その、前からお前のファンだったらしいから、気が動転して居るんだ。俺たちの事反対はしないだろうから気にするな。」
反対しないでいてくれるのは嬉しいけどーーーファンって何だろう?
あと聞き忘れてたけどお姉様呼びの真相は?と思い停止中の結城さんは諦めはじめさんに聞いた。
「あぁ、えーとだ。うーーん、確か結城から聞いたことがある程度なんだが、女子校時代のA高では先輩の事をお姉様と呼んでいた、とか、その名残りだろう。まぁ誰に対しても使う訳では無いらしいが。。。
あとお前は全校生徒の憧れの存在らしい。いつも微笑みを浮かべてて優しいって。だからファンだと言う奴が(全校生徒の大半)居るらしい。」
へぇ~女子校時代の名残りでお姉様呼び?聞いたこと無いかったな、、、ただ女子校としてはありそうな話ではあるかな。
えーとあれだ、スール?だっけ。上級生が下級生を姉妹のように導くみたいな?
『微笑みを浮かべてる』は多分可愛い女子達を愛でている姿を勘違いされたんだろうなと思う。ある意味体裁は守られていたので良かったとしよう。
いや~謎が解け安心した。
「あーあ、、結城がごめんね。あの子ゆづ葉が元々好きだったみたいだから、、一対一で話す事に緊張したんだと思うの。」
呆れ顔の咲お姉ちゃん。でも娘さんへの愛情深さが滲み出ている。
「結城の分も含めて、改めて言うわね。私達親子はゆづ葉とはじめの交際をうれしく思っているの。はじめは心を許せる人が私達以外いなかったから、、ゆづ葉さんの話を聞いて安心していたの。
だから、はじめを、大事な大事な不器用な弟をよろしくお願いします。」
私は頭を下げる咲お姉ちゃんの手をギュッと両手で掴んだ。
「はい、大事な弟さんを一生大事にします。
さっき結城ちゃんにも言いましたが結城ちゃんも、咲お姉ちゃんも必ず幸せにしますからね。」
ちゃんと約束を果たせるようこれから頑張ろうと思う。
愛しい
はじめさんに微笑みを掛ければ苦笑いされた。
「本郷に先に言われてしまった。俺がお前を幸せに、大切にしたいんだがな。
それに家族ひっくるめて幸せにするとお前に言われたら立つ瀬ない。
俺も本郷のご両親も姉さん達も幸せにできるよう努力する。」
そう言いながら頭を撫でられた。
《そっかまだまだ幸せにしてくれるんだ。》
じゃあここで一つお願いをする事にしよう。
「はじめさん、まず私を幸せにする第一歩教えましょうか?
《本郷》呼びをやめて《ゆづ葉》と呼んで下さい。《お前》ってのも夫婦みたいで嬉しくはありますが、名前呼びのが嬉しいな。
、、、ゆづ葉って言ってくれたの、告白の時だけでしたよ。。」
ずっともやもやしてたのでこの際言ってみた。
はじめさんは何故か『夫婦!』と言う言葉を噛み締めていた。
それから顎に手をやり何か考えている。
「分かったちゃんと名前で呼ぶ。
、、だから代わりに敬語をやめてくれ。ーーー結城だけはずるい。。」
最後の部分、小声で言っていたけどしっかり聞こえた。
『ずるい』だって。ずるいって、、、
ーーーはじめさん可愛い!!!!
だから即承諾した。
「はじめさん、私敬語やめる。今すぐやめる。はじめさんが望むならなんだってするよ!
だから私の名前、、呼んで?」
「ゆづ葉、、、好きだ。」
片手で顔を隠しては居るが明らかに照れているはじめさんに嬉しくて抱きついた。
慌てて抱き止めてくれたはじめさんの頬にチュッと唇を押し当てた。
これ位は許して欲しいな。
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「あんたたち、、、頼むからそういうの誰もいない所でしてくれない?
キツいって、、、甘すぎて砂糖吐きそう。。。
結城を見なよ。遠い目をして逃避してるから。
キスでもなんでもして良いから、人に迷惑だけは掛けないで。。。」
そう言った咲お姉ちゃんはソファに沈んで逝った。
初めての山田家訪問安堵挨拶のミッションはある意味成功で、、ある意味失敗でした。
「えーっと、これからは誰もいないことを確認してから
「無理!無理だから!
頼むから耐性付くまで待ってくれ!ゆづ葉!!!」
あはは。
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あっそうだ!明日夕子に改めて報告しよう!
はじめさん仕事終わりに大丈夫か後で聞いてみよう。
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