7 会いたい

 病魔が蔓延る疾病院は問題を起こした守護署の署員が警護に配属される場所だった。

 人間ではないヘクサだから、患者から病気が伝染するうつることはなかったが、患者が逃げ出そうとするのを阻止し、連れ戻す仕事は心が痛んだ。

 外に出たい、その姿がかつてのシリルと重なるからだ。

 会いたい。シリルに会いたい。

 だけど、都の端にある疾病院から離宮に入ることは不可能だ。

 それでも、会いたい気持ちはずっと変わらずに存在していた。



 だが、二人は想像しなかった形で再会する。

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