617 冬を快適にする。

とうとう初めての月、12月に入った。

季節の圧縮は万能なお友達でも大変なことだったろうし、

いっぱいありがとうって思ってる。秋にも冬にも楽しい事はあるよ。

いきなり止めちゃったら、甘〜く考える人達ばかりだから、

あぶないって警告をした。ちゃんと受け止めてはくれないみたいだけど

それぞれに準備はさせたし、気を付けてもしたけどウソツキ呼ばわりは何で。

コレを機に巫女の絶対視を壊そうとしたかったみたいだけど、それは悪手で

僕に付け込まれることになるの。

(旧暦なので1月ってことです、注意)

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 もう12月だよってことで、とってもすんなりする。

 箇条書かじょうがきのこよみが圧縮されていても不自然に思わなかったのは、端折はしょっていたからで、それが全部書かれていたら、おかしいことに気づけたのかもしれない。

 だからってどうにもならないんだけど。

 間引まびかれたものはかなりあって、これから来る「かん」という季節。実は小寒と大寒に分かれているとかそういうの。


 体感ではもう既に去年より寒い。去年との比較がないのはそういうのの作成をしていなかったからで、水が氷結するのを0度にして、何度っていうのも言葉だけで標準器もしてる。

 わからんちんだったから、温度計が売れるとは思わなかったんだよ。

 手を当ててとか、おでこくっ付けて測る訳にもいかないかなあなので、体温を測るのとか、調理とか実験に必要とかで気温を測るのは売っていない。

 快適は湿度や空気の動きも関係する複雑なものだからって、空気調整システムそれぞれ特別に作っていて、調整する端末がなかったりする。

 どうせ数値化して見るのも概念自体がない。


 すごく大変な冬の圧縮を止めてもらうつもりだったし、不都合が起きないようにしていたから、一番単純な「ほら、去年より寒いでしょう」が言えなかった。

 僕の感覚はそんなに周りに影響されないから、肝心かんじんな「ふつう」が分かっていないことが多かったりしてる。

 今回のもそう。

 実はちょっとだけ寒いだけなんだけど、キュッと冷えてきてて、冷た〜い、気持ちいいではなくて、ガクブルって感じに見えてた、北の方。


 秋は春よりも暖かだし、伸びた秋や冬はゆっくり身体を慣れさせたはずだけど、それよりも下がった感じがする。

 追加製造の最初の予定より(大量の在庫があるのに)2.5倍にしてるのは「今年の冬も終わりだね」って言葉を聞いたから。

 あなどっているなら反動は大きいはずだものという、どっかで見た商売の本の知識。

 自信とか経験が浅いのにカンとかもあるはずがなくて、集めた情報を分析して事実を広めただけ。

 捨て値で買った古臭い、今までのもあるし、新参店舗が一気に認知されて、うさんくさかったニュース紙が正しさを超えて、正義という地位を得る。

 味方になってくれていた人達も大っぴらに支持できるようになる・・かな。

 冬に気をつけては最近のテーマだったけど、後付けで忍者な人達に居場所を作れるし、心配していた「凍死者続出」という事態も避けられるんじゃないかな。

 これからまだまだ下がるんだけど大丈夫って思った。


 西の方って、収穫もない耐えるだけだった季節を空白扱いにしていたところもあるくらいで、無くても困らなかったと思う。

 いつくらいに圧縮したっていうのは想像つくんだけど、歴史の文献には見当たらなくてだから僕も気が付かなかった。けれど季節に興味を向けたり、数字に興味を持つようになったら、おかしいなって。

 気づいた時にはポヤポヤしていて知識の吸収ばかりしてた。興味の全部が本の中で留まっていて、それがず〜とだったと思う。

 それが変わったのが誰かにもらった「食べもの」というもので、おいしいって感情が僕に色を付けた。

 何かを食べるってことは、アレが出てくるってことで、行く場所が増えた。

 興味の半分以上が食べ物になって、ぼんやりしていた知識が連結していく。

 たくさんの出会わない別れを繰り返して、少し前から忘れない人達がいる。

 小さい子供が偉そうに僕にお世話をさせて、僕もしたい事が思いつく。

 僕が誰かのために何かをしようとしたらしいけど忘れてばかりだった。

 ちょっと前にそれが分かったけど、記憶(思い)を取り戻そうとは思わない。


 こよみのこととかを考えるようになったのはあんまり前ではなくて「僕の町」を作りたいって計画するようになった。生まれた(かどうかは分からないけど)街は僕を空気にするから、見てくれる人達がいっぱいの場所が欲しかったんだと思う。

 利用されているだけが、やることを当然にして何も思わなくなると僕は認識されなくなるみたい。

 お友達から何かをされると、とても嬉しくて気持ちがポカポカするんだけど、みんなは僕に気持ちを動かさない。

 いない方が良いとは思われていないだろうけど、気に掛ける存在でもない。


 里はそんな人ばかりだったような気もするし、拾う人もそういうのばかり。

 僕が望む価値をみんなが獲得していくのに、何かをしても変わらないから、興味がなくなるんだろうの答えはもう探さない。

 人に家族やお友達をもう期待しないにしてからは、情緒が変になったり、おかしな行動とかや逃亡欲求とかは起きていない。

 仲良しも期待しないから、前のようにも覚えらないけど、メモは高速で情報を教えてくるので問題はないの。


 グルンワルドは忙しい時期なので、南の方のことはまだしない。

 あの地域っていうか、ぽつぽつと生産してくれた村が近かったから、まとめただけだもの。

 選抜はタマタマで、仲間に入れてくれって成り行きで増えているくらい。分断されているから、聞いて争うということもないの。動かない人達で、それが普通。

 住処を決めちゃうと、そこがどんなに過酷でも居続ける。どうしてか分からないけどそういうものらしい。

 僕は実験をいっぱいしたいから、そこそこ暑くて凍るほどは寒くないところかなあって思ったけど空調の技術が上がったから、水が美味しくて潤沢じゅんたくならどこでもいいかもしれない。もう距離は重要なことじゃないし。


 鬼さん見〜つけたして、一通り用意すればいいだろうってやり方では満足度は低かったような気がしてる。

 全部用意したグルンワルドから精錬を外してプラコではした。

 グルンワルドの生産力が高くて、どんどん出来るから他は今は必要ない。

 今は戦いのための製造は控えめだし、鉄を大量に使うような建築をするのは、しばらく先で、生活を豊かにするために日用品がどこも不足しているから、そっちをがんばって欲しい。

 それでも大事だって決めている製鉄、どちらかというと粗鉄はグループにはあって、一応はある。気持ちの上での修練という役割は僕もあると思うからね。


 粗鉄製とか木製とか、中には石とかだったのを上品質のものが普通になるように大量生産して行き渡らせる。

 家庭で使うにはかなり良いモノになってて、銀じゃないのにピカピカして、あつかいの面倒さがなくてびたりしない。

 その中に職人のめいのあるものがあって素敵・・っていう量産品。

 僕はその先を目指してもらいたくて、それぞれの職人で有名なところを拠点にして囲いこもうとしてて、それを東方で国をした鬼さん達に見せている。


 鬼さん達は、よく分からないうちにシャッフルしているみたいだから、今までは「ここまで」ってしていたその先に行って、上限に合わせるってことが出来ないような「名人」という目標を作ろうと仕向けている。

 たとえ、これが安定している鬼さん社会を乱すことだったとしても、合わせるだけじゃなくて更に上を目指す人達であって欲しい。

 さらに上、届かないところにも仲間がいるっていうのが退屈をさせてくれない。


 な〜んて、今回持ち込んだのは、大量生産、汎用品はんようひん、安価と可能性を持っているもので造ってみて、ここが足りないとか、違う素材はどうかとか、僕が想定したものと違う成型方法とかを見つけてみろとかで、きっと金属加工品と競合する。

 そういうみだしちゃうのも楽しいかなと。


 元々造ろうとしていた村は現地の人を採用して、ばっかり作るつもりだった。

 得られたのがはずれた人達だったから、作ったり栽培したりして、欲しいものっていう特徴を持ったもの、余計なものは何もなくて、もし他のこと(例えば紡績)をしたかったら、グルンワルドに行ってとかになる。

 目を付けた地域は、やってくれたのが2村だけで、他はリネンやヒツジの産地になってくれなかった。ホントはあの地に紡績の一大産地を造ろうとしてて、ついでにムギの世界的産地もって思っていたんだよ。


 首都に行って、つい改革の目を出させちゃったけど、体制がちょっと変わっただけで、お仕事のやりかたが良くなったわけじゃあない。

 農業改革はまだずっと先だと思うし、持ち込むつもりもない。

 国と関わるとメンドウなのがずっと続くし、エライのは安易な方法で主導権を取り戻そうとしてくる。僕に協力してくれる人達じゃあないんだから、関わらないのが一番。

アノ村の水系統を汚染させないってことだけ注意してる。


 土曜にごはんをして帰るのは予定通り。旅って数日ズレるのが普通なのに、そんなにズレはないの。

 それで今度来る日時を言って、システムにこの人達の予定を組み込んで、ある時期からのは空白になるようにしてる。計画の後にどうするのかなんて分からないけど、町には縛られない。

 とかっていうのは対応出来るようにしてる。鬼さん達って現地で興味が出ると、しばらく帰って来ないとか、居着くとかだもの。


 それでもグルリして戻って来ているみたいだから、そういうのが鬼なのかなって思っていたんだよ。

 だけど、小鬼ちゃん達や南下強行した人達に増減はなくて、こっちはクローネしているから、個人特定も出来てて他の地の鬼さんとは入れ替わっていない。

 入れ替わりは他の地ではあるから、分かったつもりでいたけど例外というにはまだ時間がそんなに経っていない。

 ニセコちゃんが来てそのままになっているし、生態的なのは決めつけないで観察していくつもり。


 通貨原紙を積み込んで、硬貨元はオーダーの数量でパッキングしてねってした。

 今回は聖国で認証はしないし、今している分はその次用。

 効率が爆上がりになっているけど、あのオーダー量への対応はムリ。

 旧貨の5年期限が、連邦の隠し資産回収をする思いつきだったんだけど、そういうことの耳は早いらしいし、そういう気分になると妖精さんは答えちゃうんだよ。

 なので前の全部に「もうすぐおわり」って出てるっていうか、何となく感じる。

 偽造は絶対ムリだし、暗いとこでも分かる。それでも計算できないと釣り銭をだまされるのはどうしようもない。


 新しいのは、メインがカミで硬貨は補助になる。

 始まりは物々交換なんだけど、それじゃメンドウだし貯められない。そこで価値のある産物や物品を仲介する事が始まって、金貨や銀貨が登場した。

 お金そのものに価値があるってことだけど、モノの値段は上がるものだから、どちらにしても釣り合いが取れなくなっていくわけ。

 そうなると発行する国の強さがお金の信用度って現象が起きる。

 それがモニョモニョっていうのはどうでも良いんだけど、この辺はあんまり金銀が採れないし、そうでなくても希少金属をいっぱい必要な通貨にしちゃって資源量とのバランスが危機・・になりそうだったから「今度からこれを使って」にしたのが始まり。


 通貨の事は困っていたし、発行は無償だから今までの硬貨の金属はそのまま転用出来るってことで、聖国のバリューもあったのかもだけどスンナリ置き換えが進んで、それがまた起きてるの。

 今回の事情はちょっと強制的になっちゃったけど、近年は精霊石の含有量が減っていて、模造しようとするやからが出ていたし、これに加えた機能を使えるようにしたいってわけ。

 勝手なお金の発行は通貨の信用を損なうから、それを管理するって効果もあったんだけど、それが怪しくなっていたし、国際取引が盛んになりつつあるから、お金を運ぶっていうのも大変だった。


 そこで一新して、軽いカミを基本通貨で硬貨は補助という形に変えた。

 金種も上の方に広げて、高価な取引にも使えるようにっていうのも少量だけで、その後の発行は先送りした。

 まだ各国の政治が不安定だし、僕らの地盤も調っていないので実施は保留にしてて、かなり先になると思う。

 あとこれは今回からは有償で発行は各国になる。今手元にあるものもそれが到着した時に発行元の表示が空欄だったものが自国名が浮き出てくる。

 原紙を調べれば、高度な製紙技術だって分かるし、印刷も色んな方法を組み合わせたものを組み合わせている。向きによって浮き出る文字とか、透かしや細密印刷や盛り上げ印刷や触って金種が分かるとかね。


 硬貨の方も文字が浮き出るとか、周囲のギザギザとか細かいとか、別種の金属の組み合わせとか、新金属とかで技術を満遍まんべんなく散りばめたものになっている。

 ガワすらも複製防止の技術で、お金自体の複製の心配は不要。精霊石が含まれているってことは、持って金種が分かる主張するお金。

 だから偽金造りはムリってことで、多く精霊石が入って認証されたものはキラキラしてる。

 今までのは手垢てあかとか何かでバッチィものでも、模様が分からなくなって黒々としていても、擦り切れていても100年前のものでも問題無く使えて不満はなかったかもしれない。

 でもお金もらうんだしって頑張って、追加分はさらに最高の仕様にした。

 これは聖国に人を呼び込むことになるだろうけど、ヒミツは明かされない。

 だって製造はしていないもの。


 金曜にそれぞれお迎えして、アリガトした。

 それぞれ何とかなったって感じどころか、ググンと向上して店舗を構えても良いんじゃないレベルになったらしい。

 聖女が登場してニュース紙の会社が巫女のって広く認知されたり、近くで見ているぞっていう感じでエライ人達がザワザワらしくて、警戒していた鬼ではなかったけど、もう街や村にまで入り込んでいるっていうことが分かってきて焦っているかもしれない。

 ニュース紙の原紙やインクの方は今までの10倍納品しといた。


 着いて、ご褒美ってことであけぼの寮でド〜ンと料理をどうぞ。

 試作中のお酒や飲み物、カニや大きな海老えびの料理とか、活け造りしたりっていうのを作って持って来て、さっと仕上げをして、チリ〜ンとゴハンだよのお知らせ。

 飲み物を用意して料理を並べて、ナベを置いてグツグツする前においとました。


 連れて行った人に増減はなくて、鬼さんがどうして残らなかったのかナゾだけど嬉しいことだもの、気にしない。

 なら次の段階に進むことにするって、大した事ではないんだけどね。

 心配ごとってほどじゃないけど、懸案けんあんがなくなるとホッとはする。

 冬ヤバイってこともないはずだもの。だからずっと気にしていた事はもう終わりで良いと思う。

 僕の勝手で冬の短縮を終わらせた。ミコの願いはよく分かるけど、大事な友達に大きな負担をいるのは止めにしたい。


 でも本来の姿に戻るだけだからゴメンネじゃなくて、今までアリガトウをして欲しいんだけど、もう当たり前になっていたことを無くすことに人は反発する。

 理由の理解はできないと思うし、出来たとしてもムリだと思う。

 だから気を付けてをいっぱいした。準備もした。

 それでもう終わり。アリガトウを言えない人達にはこれ以上何もしない。

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改めて注意してをお知らせした。

これがとても大変な操作と調整が必要というのは色んなことを知って

ムリ、不可能って思った。かなりの大仕事だと思う。

それをず〜っと。たぶん確実にミコとの約束。

もういいよを僕がしても良かったのかな。でももうミコはいないんだもの。

お疲れ様ありがとう。とってもとってもありがとう。大好き♡

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