616 初めての真冬が来る。

リアルが作り物臭くて、やり直しをお願いしたい。

田舎者臭がするっていうのも、態度が悪いからだと思う。

坊主憎けりゃってヤツで、いちいち気になっちゃう。

これが逆なら、ほほえま〜ってなるんだろうけどね。

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 お昼食べて虫をアミから出した。羽の先っぽが欠けていて、マダラに抜けているけど当然飛べる。見えていないだけだもの。

 ピンと張ったままで、ス〜って行くのがキモチワルイ。だってトリって羽ばたくし上下しているし、生き物ではない飛行の道具だって制御で動く部分がある。

 滑空する遊びのだって動きはあるのに、そのまま移動してる。

 動く絵の時に絵をそのまま横に移動して違和感を感じた時のアレで、作る時にやりがちだけど、リアルでは変ということになる。完成度の低い駄作ださく


 それに例の「妖精の粉」が出ない。羽ばたかないからなのか、付いている妖精がいないからなのかは分からないんだけど、ないとエルフの飛翔とは思えない。

 お話しでは派手に振りまいていて、それを振りかけると空を飛べるって設定。

 でもあれはツヤツヤの羽の羽ばたきのチラチラキラキラが目に残って出る錯覚なんじゃないかなって思っている。

 ただのキラリだけど美しいって思っちゃう。とらわれて追い求める人達がなくならないのは当然のこと。

 ベーシックエルフにはそういうエフェクトはなくて、出来の悪い仕様だなって。

 たためない羽なら、アチコチのものに引っかかりそうだし、おっちょこちょいキャラとか、通れないギャクとかが頻繁ひんぱんに起こる出来の悪いコント。


 すごく口が悪くて、エルフなまりだったから他の人達が分からなくて良かった。

 これ以上イメージが崩れるのはマズいし、お付き合いしたいとは思わなかった。

 偶像って勝手に作られるモノなんだなあって。

 それでも大昔はお話し通りの素晴らしい人達だったんだろうけど、交流を止めて距離感や相手を知って尊重することをしなくなれば、プライドだけの田舎者になるみたいだ。うん、そうならないように気を付けよう。


 その後は子ども村に行って、秋までの収穫は豊作続きだったって。

 土地の使い方は計画通りにして、地力を衰えさせないように肥料や調整のクスリを投入するにしてくれている。

 ハズレな村の人に長年の農民力、知識とか経験があることはなくて、売れるものばっかり作るから、年々地力が落ちるし、聞きかじりの肥料が正しい作り方で使い方ではないから効果薄い。草木灰のことも知らなかったのかもしれない。


 色々見てきて、全部に学びがない。地方で農民だからって読み書きが出来なくても良いわけがないの。

 誰かが良い方法を広めようとしても口頭伝達は変質する。ちょっとずつ間違っていって違うものにだって変わる。興味のあることなら、それが意図的にね。

 あと最低限の礼節は必要だなあって思った。あれじゃ何かする気が起きない。


 今までは何かに残そうとするときは手書きだったり彫刻とかだったから、特別な歴史くらいを少し盛って残していた。

 本当は当たり前にしていることが大事なことで忘れやすいものというのは、失ってから知る。それが田舎だろうが後世に残すべきことは割とある。

 本当なら親がその役目をするんだろうけど、人というのはお金になるって、安易に子どもを売る。

 そういうマーケットが成立しているのがいけないとは思うけど需要ある。それなのに街にはストリートチルドレンがいるし、その成長した姿なのか大人もいる。


 全員が職について、学びがあって礼儀も好ましい倫理感もあるなら、治安維持に多くの兵は要らないし、みんなにお金の余裕があるなら経済だって良い。

 だからね、チカラがあるなら、そういうのを熱心にすべきなのにしていない。

 やるんなら徹底的にって思ったけど、それをするのは個人で民間団体だから大変というか「何かおかしくない」って思うわけ。

 やった責任もあるし、地元の人達を仕向けるようにはしているけど、おかしな行動をして、破滅しようとするのが出てくるのがメンドウ。

 それを付け込む理由に使っているから、良いのかもしれないけど・・

 今はそういうのに関わらないようにはしてる。


 南の方、紙幣材料とか作ってほしいものがいっぱいあるせいで、変な風に手を出しちゃっている気がする。

 まとまりのない地域だったけど、秩序らしきものを「お仕事」とか「家」とかで何とか維持しているらしい。

 生活の不満が解消されつつあって、何故かスポーツ大会にも出てて、結構社交的で「アイツは誰だ」って商売に繫がりそうな気配がする。

 ニュース誌に確かにそれっぽい日焼け顔の人達がいて、バ〜ンっと載っているのは特別編集の地方版だろう。でもバ〜ンの文字も小さい方のも読めない。

 ホレホレってあおられて、ちょっと勉強の意欲が上がったらしい。


 あっちの方って、どうせ説明の全てが分から〜んだろうって、有無を聞かずに全部入りの保険や保障をしてる。

 収入が爆上がりしているから、そんな些細ささいな事には気がつかないというか読めない。知らない事に不満を持ったりはしないんだよってことで。


 うんそう、説明しないことにしたの。

 保険ギルドあるし、建前上説明責任があるからって理解してもらおうとしたら、要らないっていうのが出て、それは広がって行った。

 説明すればするほど契約が減っていくのって、何で。

 第一、保険ギルド内の加入率がすごく悪い。

 忍者な人達も同じように悪くて、遠くの忍者さんになると依頼とは違う話って取り合ってもくれない。


 だから言わないで報酬にコミコミってするようにしてる。

 理解出来ないような理不尽な控除は普通の事だもの。手取りさえ良ければ不満に感じたりはしないものだよね・・ということにした。

 概念の理解も出来ない勉強不足の人達じゃあ、何かがあったときに慌ててもどうにもできない。

 しっかりした福利厚生はシステムであって、情で云々うんぬんするいい加減な組織ではないし、エライ位置にいる人が人によってそうゆうことをすると組織が悪化するからそういう裁量は与えない。

 慈善事業っぽいこともするけど、非常時の救済は当然の事だし、計算でそれっぽいこともするけど、その時はちゃんと計画書があってしてる。


 とにかく今は大量に発行してる通貨の担保が、他所よその国とか会社とかの大量の借用書(債券証文)しかなくて、手元資金が足りないの。

 事実上、通貨連合は破綻してるのに通貨不安が起きないのは、経済が安定して好調で、僕らの事業が順調にみえているからなだけ。

 気付かれないように、事業を失敗することのないように。今は絶対ダメ。

 聖国にもないから、これから出すのはそれぞれの国の発行で名義もそれぞれ。

 だから国は経済を一定水準以上に保たないといけないし、他の国がおかしくなったら聖国の言う通りに手を差し伸べる必要が出るってことを気付いている国はあるのかな。


 もう襲いかかる事は、たぶんしない。頭ごなしもしない、たぶん。

 う〜ん自信ない。必要だと思ったらするだろうな。

 何度もして、バランス的なのも分かったから、キレイに切り分けて押し付けは出来る。ワサワサの原因は後始末的な感じ、かなあ。


 今回ポイポイして忍者さん達の拠点に送り込んで「冬だよ」キャンペーンしてるんだけど、この辺は冬がちょっと寒くても関係無く暖かいし、聖国と同じようにいつの間にか1年経ったんじゃないのって感じだと思うから特に何もしない。

 テコ入れ必要な気もするけど、ムードは良いみたいだから、またね。


 夕ごはんの時に小鬼ちゃん達やシルフィーに、あとだれだっけな鬼さんとお外ごはん。

 せっかくの家のダイニングルームは相変わらず使われていないみたいで、お茶飲むためにお湯を湧かしたり、夜食作るくらいしかしていないって。

 初めてコンチハしたときには、隣の人の性格とか好きなこととかに関心がない鬼さん達だったというか、大人に意欲を感じなくてツマらなそうだった。

 小鬼ちゃん達も最初そういうとこあったけどってメモにはある。


 決まった目標が種族にあって、いわゆる鉄作りとか採掘、家づくり、糸をつむいで布を織るとかがいっぱい。でもそれはいつか終わる。

 優秀だった小鬼ちゃん達は早々に到達したって聞いたから、今までのイキイキとしただろう思いがなくなった。

 人に決められたり用意されたものが全てだったら僕もそうなっただろうけど、世界全部の知識を獲得したって、不器用だけど技をマスターしたって、感情がマイナスだけだって、みんなに無視されても、そこで終わりとは思わない。

 ゴールした程度で満足することはないし、それは僕には通過点なだけ。


 鉄がね。粗鉄作りで鬼さん達はゴールだった。僕は純度の高いものは銀みたいだよってみせたし、合成割合を工夫すればさびびないピカピカの鉄、もっと強い鉄も作ることが出来るよって見せた。

 聖国は研究ばっかりの人達が多かったから、外に出ていない技術もあるし、先時代はすごく進んだ文化があったようなのも見つかっているんだけど、実用できたのはカカオ、つまりチョコとあとバニラくらい。コーヒーはどうだったかなあ。

 僕の知識もグチャッと詰め込んで整理はしてこなかったから、ホントは違うかもしれない。


 鬼さん達はボンヤリ先人の技術を伝えてきて、トップの人に合わせることによって、ちょっとずつ確実に進んできた。バ〜っとタスクがあるみたいで、逆に言えばそれ以外は求めなかった。

 僕がむりやり製造を頼んでアレコレやったり、問題を解決したり。

 出来ると思ったからやってもらっただけ。これからの交流でニンゲンと対等にして鬼さん達だけで回してもらうために、地域を押さえただけだもの。

 そうした方がいいからって言っているけど、裏切られるって思っているんじゃないかなと、最近思ったりした。

 そういう前提で構築するから、僕に興味が実はなくてもお仕事は続く。

 会社に個人の好き嫌いは必要ないものだからね。


 一緒ゴハンしている鬼さんが実は農場で見つけた南国の人達らしくて、覚えている様子って、バサリくれた。

 戻りたいってことじゃないけど、どうしてるとか行き来が出来るようになったらイイナ程度みたい。興味を優先する土着しない鬼さんらしいか。

 思った通り、グルンワルドはとてもワクワクする場所だから離れたくはないから改めて言われて南のことを思い出したくらいらしい。

 これを薄情とは思わない。


 心配だったろう異種族討伐にかこつけた奴隷確保を事実上なくさせたし、少しずつ広がっているから、いずれ南の地にも到達するとかね。

 仲間意識が強いのに保護し合うってことはしない。不戦をしていれば、いつか仲良くなれると思っているんだろうけど、あなどられているし、変なイメージまで創られているんだもの。ムリだろうって、アッサリ「戦え」にした。

 きっと誰かに言って欲しかったんだろう。

 制限がなくなって・・って変化が僕に分かるはずないんだけど、良かった結果になってるからいいの。


 今回、冬準備は大丈夫?ってことで来たんだけど色々するイベントがどうなっているのかなって。

 僕は冬至(一番夜が長い日)用に冬限定お菓子のレシピ提供してる。

 シュトーレンは外せないし、パンプキンを使ったもの、三角木の実のとかはいくつか用意したし、夜は静かに独りぼっちだけど楽しくパーティもした。

 星テーマで飾り付けをしてて、これは商店街もで、去年自重した分も賑やかにしてる。連邦の冬飾りの予定では、外周の方にも少し飾りを入れたり、お店を派手にデコしたり、それは周辺の街もで「冬でも外に出よう」ってお誘いする。


 出来そうな所でアチコチ飾り付けの予定で、これは年明けまでして、それを片付けてカーニバルって計画。

 だから今月に春の大事なイベントをやろうとしただろうけど「ちょっと待て」を伝えられたのかなあ。

 ニュース誌のある所では「これから冬」って知らせたはずだけど、無いトコではやったかもしれない。

 イベントは市民がするものだから、国や地域から「イベントやれ」と声を掛けてもムリなことで、お金を出さないんだから聞くことはないの。

 代わりに街を飾ろうとかして、きっとそれもウケて、ささやかだけど気持ちを温かく変えて「冬」のアピールしてる予定。


 去年から冬を盛り上げているのは、これからさらに寒くなる。冬の準備があったから、ボケたことを言ってても何とかなっているだけ。

 明日からは12月だし、もう2段階くらい寒くなる。春ものを重ね着しても暖かくないし、去年の服を引っ張り出してきても初めての本格的な寒さでは何を着ても寒いだけだろうね。

 さすがにもう疑いようがないから、協力店に殺到しているだろう。大手とか老舗しにせは冬物処分しちゃって、それを安く買い入れているし。

 今頃は追加分も届いているし、暖房関係の物資も大量にあるから、寒くなってもこごえることはないよ。

 シルタやプラコにたくさんあった在庫も順調にけていくだろう。

 気候は予想通り下がっていて製造計画が大ハズレしなくて、ホッとした。


 しつこく聞いて、周辺の街のいくつかでカーニバルがあったとか聞いた。

 去年はイベントのことで作ってもらうリクエストしたり、希望もあったけど、そういうのもない。

 質疑応答は会話とはずっと遠いことで、お仕事に似てる。

 やっぱりそういうことなんだねって。

 僕らは商売だけじゃなく製造もしてて、他にもしてる。周辺の状況はとても大事だからクロネコハウスとかお仕事しながら市内の情報を拾ったり、提携しているブラウン商会からも情報をもらっているの。


 ここで製造計画もするようになったけど最終数量は僕が決めるし、今回新しい技術も用意した。

 ちょっと前までは、冬関係のを強化して製造してもらっていたんだから、誰よりも僕に情報を持ってくるものなんだよ。

 それが聞かないと入って来ないんだもの。やっぱり聞いているのは会話とはならないくて、お仕事だよなあって。

 確認したいことをハジから聞くことになっているのも、ここに親しい人がいないからで、動物達の方が仲良し。

 だけどモーモー、コケコケしか分かんないし、オオカミさんは森のことを分かる言葉では伝えてくれない。


 情報収集はアチコチに出向いて自分で集めないといけなかったりしてる。

 新聞とかニュース誌を主なところで発行しているから、それを全部1部ずつ抜いてもらって把握してる。記事が多岐になっている理由もそういうことでもある。

 この辺りは外でまとめてくれる人がぽつぽついるから、グルンワルドには来なくても把握はあくできているんだけど町の内情は分からない。

 夏も運動会をするのかってことを前もって言ってくれなかった。ムリに参加したけど、余計だったよね。


 改めてそういうことを確認するのって、ガ〜ンなんだけど大事だもの。

 気持ちが最初からないのに、すり寄って来られたら迷惑でしかない。気持ちがないって分かっても、もう逃げたりはしない。

 言ってくれないつもりなら、反応が返る(イヤっていわれる)まで勝手にする。

 モヤモヤして来にくくなっていたけど、もう気にしない。

 お仕事はちゃんとする。だから親しそうなフリはしなくていいんだよ。

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冬のお知らせだけで終わらせない。これはビジネスチャンスだもの。

老舗(しにせ)、大店(おおだな)の過剰在庫をそっくり買ってイラッシャイマセする。

聖国からのお知らせを否定した結果が、真冬に春物を売ることになった。

それで資金を回収するために、寒々しい春物も安〜く買い取り。

春になったとき困るだろうけど良いのかな。じゃあまたね。

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