636 集合の反対。

集合を掛けたものの意味がないってことで、結局もらせるなら同じ。

本当は去年旅立ちだったのに、何も言ってくれないから良いのかなって。

確かに人手は必要だったからだけど望まないことなら終わりにする。

もっとそれぞれで楽しくした方が良いんじゃない。

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 ピピピってみんなの端末にアンケートのような、短いお話しがいっぱいでどうするって選ぶ感じのを送った。

 これは前のルミナリエでしたもので、もっと内面を探れる最新版。

 楽しく進めていってきない頃に終わる。

 人はなかなか本当のことは言わないし、自分でも分かっていない事ばかり。仲間意識があるのかないのか。でも協力する事は得意で集団で力を何倍にもする。

 お話しで登場する異種族は何か(レベルとかアイテムとか)で進化するんだけど、ニンゲンだって進化してきたんだよ。

 2足歩行、手の機能獲得、言葉、モノ作り、料理っていう素晴らしいものを生み出したり、色々してクスリを作ったり、服で着飾る、調整するって考え、建物を作ったりをね。

 見渡すとそういうのをしている種はあるんだけど、器用に動く手を活かさないし応用する経験を活かしてない。

 素晴らしいものを同じように獲得したはずなのに留まっている。


 ニンゲンは弱くて、チカラを得るための工夫をした。それを次代に残してもっとにした。組織ってチカラ、食べ物を自ら作り出して、生存競争をするでもなく種を増やすことに成功する。

 森は強いケモノがいて狩って数を調整する。そういうふうに出来ていたの。

 なのにそれから外れた存在。強く願って何万年かすれば、特別な機能を獲得が出来た。人はミラクルを望むものだし、突然変異が良い方に作用して、精霊化をするものも出て来る。

 願いが凝縮されて、特別な変化をしたのが分かりやすい人魚やラミアやエルフなんだろう。擬態で満足した種は何も変化が起きない。進化は種族の強い望み。


 そのまま能力の拡張を願ったのが鬼で、よりパワーを望んでオーガになり、小回りを望んで小鬼へさらなる進化をした。この二種は共存して高め合った。

 ニンゲン種は欲望を膨らませて知恵を貯めた。文字を得て正しく次代に伝えられたのが大きいと思う。

 最初ニンゲンから派生したと思っていたけど、それでは特徴が違いすぎる。

 今の考えはね。ほぼ全部の種が数千年程度の違いでヨーイドンしたんじゃないかなって。放浪する欲まみれの種が津々浦々つつうらうらまで蔓延はびこって一人勝ちしてる。

 対抗出来るはずだった鬼種は欲望が薄くて、みずから上限を設定して弱体化。


 同列の他の種を攻撃するのは生き物に埋め込まれたことだろうけど、僕は共存をして混ぜ混ぜにしたいのに、そうなってくれない。

 それぞれが別々のって分けるのはニンゲンの思考で、それに引きずられるのはイヤなんだけど、何でなのかな。

 同族だけというのは安心だろう。鬼さんは争わない。

 だけどこの好ましい性質が、お隣に関心を持たないことに作用してる。

 自分向上だけって聞こえはいいけど、それじゃあツマンナイよ。


 集まっている事に意味がないのなら、分けちゃってそれに意味を持たせる。

 僕に思いつくのはそのくらいで、策謀もそれだけでらせないってだけ。

 せっかく広く確保したとこが店としては使えないし、住んでいるらしいっていうのが変っていうのはある。広く開放したはずなのに、ニンゲン達が入れない場所っていうのも感じ悪いよねえ。

 物流は開放はしないけど、その他は整理して開放するかな。店開けたいし。


 アンケしたけど、あれは鬼さん達がどう考えているのか知りたかっただけ。

 交代を気付かないうちにしてるから、移動をみんながしたいって思ったけど、動かないのもいるの。小鬼ちゃん達とか僕のとこにいる人達。

 色んなとこに連れて行って、も〜いいよしているのに他の鬼さんのところには行かない。どうしてを言ってくれないから分からないんだけど、僕にイイコトだから気にしない。

 僕は人の都合や気持ちをあんまり考えないからいれば使うだけかな。

 街の鬼さんをバラバラにして色んなところに押し込んでいて、ばっかりだった建築の会社にニンゲンや尻尾の人達を入れた。誰かが入ればいつの間にか変わって、それぞれのお仕事をマスターしていく。工房にもいるし、本社のチマチマした工作部門や旅行や出版のところとか満遍まんべんなく。

 あとイラッシャイマセにもってしたけど大丈夫みたいだった。みんなが親しく話している鬼さんと昨日の人は多分違うよ。


 とっくに新しい村はあちこちにあって、3千人規模で造ってあるけど多くても千人くらいしかいない。アキがあれば興味のある移住者を受け入れられるでしょ。

 マゼマゼはまだ諦めてはいないんだよ。

 どこにもニンゲン村が近くにあるけど、いい場所のとこにはいるんだよね。


 今年も記念日に行進をしたくて、やってくれるのは諦めているから「集合!」をまたする。期待してガッカリするのは僕らしくないから、ヤレっていうの。

 そういうのが分かっていたみたいにちょっとお出かけのような軽さで、振り分けの通りに出発して行った。

 馬車で隊列を組んでいくことはなくて、小型機のエルスターが一斉にブワっと飛んでいく。何日かそういう風景があった。


 別に「解散」ってわけじゃなくて、たくさん集合している意味がないよねってだけ。輸送のカナメである事は変わらない。車程度も扱えない人達じゃあ代わりは出来ないし、飛び抜けた技術だし、車や偽装馬車、簡単な自動車をどうぞするつもりはないの。

 理解しないままで岩盤、氷、ぬかるみ、凹凸な道、道のない所もあるから迷うし、事故を起こすでしょ。

 かしこい馬ならその辺、何とかしてくれるから使うならリアル馬車だけね。


 分散には意味がすごくある。

 お友達にはなれなかったけど、お仕事には忠実で僕の傘下みたいな扱いを嫌がらない。まあエサがあればだろうけどね。

 プラコでは一通りの工作は出来るけど、お試し以上のことはできない。生産の予定には入っていないからで、これは申し出てくれればだったんだけどね。

 すんなり応じたのは、そういうこと(生産したい)だと思うんだけど、ここまで僕と話したくないって態度はとても傷つくんだよ。


 場所は見つけられていなかった大鉱床の近くで、それなら人も呼び込める。

 ニンゲン達は排水の配慮がなくて将来に問題を起こしそうでヒヤヒヤする。

 だって流しているそれって有害だよ。将来、深刻な問題になるよ。

 あの人達ってだけじゃなく、鬼たちも垂れ流しだった。この時代のこれが現実なんだろうけど、そういうツケを払わされる子孫のことまで考えてよね。

 工場の設備より浄化設備の方が広くて階層化もしてる。

 実は僕も分かっていないんだけど、バッテンするから何が悪いのか分かっていない物質も全部処理するようにしてる。

 方法は里で作ったもので、正解だけ先にあって技術的に作れてはいないから互換のものでとりあえずにして研究中。理論は出来たんだけどね。

 あと空気。目に見えないからくさいな〜だけだったもの。クサイはキケンだよ。


 鬼さん達に理論の興味は薄い。今まではそれで出来ちゃったからだけど、感覚的に出来る上限は子供が頑張れば達成するくらいでしかない。

 作れば終わりじゃあなくて精度とか素材が大事、あとレシピ。

 僕も純度を高めれば良いと思ったけどそうではなかった。

 純化は次の混合のためで、不純物を多く含んでいる製錬で混合がカン(その時の運)っていい加減なモノだった。

 それを確実に過去に残された資料から最適を見つけるんだけど、答えはもういくつかあるよって感じね。出し惜しみというより制限。

 色々あると全部作ろうとして過剰在庫になっちゃう。流通分も含めて、生産(在庫)管理は必要なことだからね。

 多いと思ったグルンワルドだけど、色んな事しすぎて人が足りない。

 それで効率を導入した結果がアレで「交流」どこ行ったになった。運動会に外の人を呼んでて良い傾向って思ったんだけど。


 触れ合わないと警戒はなくならない。ピリピリしていたら触れ合う機会もない。ミコはそれを言いたかったんだろうけど、命題にされてのろいの言葉みたいになっちゃったんじゃないかな。

 巫女みこの言葉を大層たいそうとらえる気持ちがきっとある。そう思ったんだけど、何かよく分からない。

 僕がダメな気もする。たぶんそう。

 引きこもりは良くないと思って、チラチラだけど出てきてコンニチハしてる。

 ちょっとだけ。

 いっぱいだとみんなイライラするみたいで「友達になって♡」が、きっと鬱陶うっとうしかったんだよね。そういう加減わかんない。経験がないんだもの。


 動物達といる時のようにしたいけど、僕はえらそうにアレコレしろって言うだけでいなくなるヤなヤツ。もう仲良くはあきめてる。だからいいの。

 新しい村は去年から造っていたもので、最初の方は時間が経ってホコリかぶっていると思うから、お部屋を大丈夫にしたら、みんなでお掃除してね。

 畑はもちろん全部にあるけど温室とか土の調整とかはしていない。

 最適なタネや肥料は置いてあっても、いつどのタイミングでするとかはしていなくて、それはどこもそう。

 やるからには大成功って準備して計画して、トリにお願いしたりもしたけど、そういうのがイライラさせるじゃないかなあって。


 タネの道具とかホント、経験者達をバカにしたモノだったよねえって。

 クワやスコップとかはあっても道具はなしにした。

 切れ味いいでしょう。これはねぇ、北の拠点の職人製。

 僕がトンテンカンして用意していたんだけどグルンワルドからの材料だけ、焼き入れとかぎは職人の領分だそうだからね。

 国の製品っていうより僕ら関係の輸出がメインかな。今までの販路では高級品ってカテゴリーだけにして、他の人達と競合しないようにしてる。

 汎用品は内部消費する練習用でこれは競合するし、技術を高める環境にしたいので日銭稼ぎみたいな事はしない。


 営業が得意な人が多いって言われている地域だけど、勢いで相手に損を与えるような売り込み方はスキじゃないので営業の人はいない。

 決めた品質に決めた価格を付ける。値段を釣り上げたり、交渉で価格が下がったりはしない定価ってヤツで、これは場所によって変わったりしない。

 僕らは運搬コストを入れないことにしてる分、かなり安い。

 だいたいが怒鳴り合いに近い交渉でイライラさせたりするの。

 その勢いに負けて損しちゃったら、ごはん食べられなくなっちゃうし、イライラしたりさせたくない。

 スッキリな明朗価格だけ、イヤなら買わなくていいよ。


 他の設備に色々はしない。家具は持って出てにしたしインフラは一通りある。

 もちろんトイレは水洗で排水は浄化してからで肥料にできるものを吐き出すのも同じ。鉱石の精製ではよくないモノだけじゃなく、悪い空気も出す。それを鎮める設備は大変で飛び抜けた道具で安全に処理はできるけど、スラグは出ちゃうから道を作る時に混ぜるとかして自然に処理を任せるというのはしないことにしてる。


 知識を覚えるのとセットで「これはどこに行く」というのも伝える。

 命をいただく過程で関わるアレコレもある。

 プリッと出して肥料に変えま〜すってだけじゃないことをしているから、その行き先まで責任を持って初めて、イタダキマスを心からして、ゴチソウサマになると思っている。

 そういうのを知れば、僕が新しいことを始める時に躊躇ちゅうちょする理由が分かるだろうし、簡単にエネルギーを得られるアレに関わらないようにしているのもいつか分かる。あんま期待していないけど・・


 造った村にはそれ以上の機能は持たせてない。いつもやり過ぎていたみたいだから、家畜もそれぞれで調達してねにしてる。そういう風にしないと交流を持とうとしないんだもの。

 建前は「交流大好き」種族なんだけどね。仕向けられればするってだけで外面そとづらは作れるし見かけも可愛い。だけど積極的にはしない感じがする。


 そういうことがあったからって、その部分を切り取るのはよくないんだけど、経験上当たっているようだから関わり続けさせる環境にした。

 幸いにもプラコの鬼さん達は食べることに楽しみを持ってくれたから、食い気で外に食材、交流を求めるかなあと。

 配送業はなくさないし、色んな場所に拠点ができたら流通を握る。

 僕らが扱っているものは良いものだから、それがみんなの普通になって標準器が広まるっていう気の長〜い話。


 忍者な人達も割と近くに補給する場所ができて、頻度ひんども上がる。

 冬と春の服で荒稼ぎすることになって、聖国もほのめかしたから少し安心にはなって、罪人の収容所のような鉄扉で高い塀の、とても孤児院らしかった建物を明るく開放的に改装した。

 潤沢じゅんたくになった貯金には手を付けていないし、おこづかいをドカンと渡して今年中に全部使い切るってテーマを課している。用途不問ってしたのに忍者な人達が計画書を提出なんて言い出したらしく、現在絶賛困惑中なんだって。

 でも悪くない。


 いっぱいあってもダラダラ使えばなくなっちゃう。それでも良いと思っていたんだけど、考えて何か意味のあるものに使った方がいい、そうだよね。

 何に使ったってハッキリ意識できる。こういう体験をしていれば、去年のもっと高額なお金を手に入れたのにひと月でスッカラカン。働かなくなって何に使ったのか覚えがなくて、生活費までないっていう阿呆あほうな大人にならないだろう。

 それにってツラツラ書いた大絶賛文章を送ったんだけど、きっとそんな事までは思っていない気もする。読んで子どもを預かる責任を意識するといいよ。


 で、プラコはどうなったっていうと、地下は閉鎖した。工房階やスポーツ階にもうなにもない。

 広い空間があるだけなんだけど、河に水が溢れたときにここに逃がす役目があって過去たま〜に大雨が上流であるとはるばる下流のどこかの堤防が決壊してスゴイ水浸しになるんだって。

 だからって高い堤防をきずいたら景観が変わっちゃう。


 まあそう、元々はそういう目的でやたら天井の高い広い空間だったってわけ。

 なのに、集合を掛けたら来るわ来るわで、春になったら旅立つと思っていたのにずっといるから、まあ混乱はしてた。僕の価値基準と違っていて鬼さん達の事を理解できないって。

 結局は自分の尺度で判断するって思ったんだけど、僕には人生経験がない。人と交流したり、おトモダチ、まして家族は作れなかった。

 それで頭で考えて、こうしてこうって考えていたんだけど当てはまらない。

 僕の立ち位置がどこなのって思ったってワケ。


 最初はとても期待したよ。僕の言葉で集合したり、僕がしたことで泣いてくれたりしたからね。それでいい気になって予定になかったというか、やらないってしていた北の鬼さん達に集合を掛けた。

 今ではそれが良かったのかは分からないけど、ルビコンは渡っちゃったし、サイを投げてゲームは進んでいる。できたらこれを終わらせないようにしたいし、諦めていた母国も何とかしたいとは思っている。


 僕はとても強欲だから、何でも全部手に入れないと気が済まないんだろう。

 巻き込んじゃったくせに、性格が思っていたのと違うなんて、ゴメンナサイ。

 鬼さん達は別に手の平を返したり変わったりはしていなくて、僕が勝手に親しみを感じただけ。

 でもお仕事の付き合いだったとしても仲良くしてくれると嬉しいな。

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集合を掛けたんだから解散じゃなくて「散開!」も言わなくちゃ。

鬼さん達はあるものをそのまま受け入れているだけで、

練習がいつまでって期限は確かにしていなかった。

僕に素直なのか、無関心なのかが相変わらず分からないままだけど

交流をして触れ合っていけば、鬼さん達もニンゲンと仲良くできるよ。

・・お膳立てしている僕が全然なんだよね。あきらめちゃってるし。

だからもうやってはあんまり言わない。ゴメンネ。じゃあまたね。

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