ゾンビのいない日はカレーを作って食べよう
○前回のあらすじ
『ゾンビ、警察に連行される。』
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これでやっと平和な日常が戻った。
翌日、仕事終わりに夕飯の食材を手にさげて帰路を歩いていると、腕に包帯を巻いた近所の50代男性が現れ、こちらに気づいた。
「こんばんは、お疲れ様です」
「こんばんは。その腕どうされたんですか?」
「ああ、この腕ですか。少しヘマをしてしまいましてね。すぐに治りますよ」
「そうですか、お大事にしてください」
住民と別れると、階段を上ってようやく扉の前にたどり着いた。
荷物を置いて懐から鍵を取り出していると、隣の部屋から隣人の30代女性が出てきた。目の下に濃いクマができていて、着ている白衣がよれている。体調が悪そうな様子だ。
「こんばんは」
「……」
挨拶をすると、隣人は気づかなかったのか、足早に去っていった。徹夜でもしたのだろうか?
ガチャリ
鍵を開け、荷物を持って部屋に入る。今日はカレーの気分だったので、じゃがいもと人参、玉ねぎ、鶏肉、カレールー、野菜ジュースを買ってきたのだ。
以前、カレーに野菜ジュースを入れると味に深みが出て美味しいと聞いたので、今から試してみる予定だ。
包丁でじゃがいもと人参の皮を剥き、水でザッと洗い大きめの角切りにする。玉ねぎは皮を取り、水で洗って
鍋に油を熱し、鶏肉を入れたら中火で炒める。火が通ったら、切った野菜を加えて再び玉ねぎが透き通るまで炒める。
その後、具材が浸かるぐらいの水を加えて火にかける。しばらくしてぐつぐつと煮たったら
ちょうどご飯も炊けたようで、深皿にご飯とカレーを盛り付け、机に置く。コップに氷と水を入れると、スプーンを持ってきて手を合わせた。
ピンポーン
さあ、食べよう。そう思った時、玄関のチャイムが鳴る音がした。……誰だろうか。
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